NY外為:ドル下落、株価の上昇受け逃避先需要が後退

10日のニューヨーク外国為替市場 では、ドルが全主要通貨に対して下落。米銀シティグループが社内メモ で、同社の今年第1四半期(1-3月)初めの業績は、同行が最後に利 益を計上した2007年以降で最善だと述べたことで世界的に株価が上昇。 逃避先としてのドル需要が後退した。

ポンドは対ユーロで下落。英王立公認不動産鑑定士協会(R ICS)が10日発表した英国の2008年12月-09年2月の住宅販 売件数が、少なくとも同統計の集計が開始された1978年以降で最低と なったことがきっかけ。一方、円はオーストラリア・ドルとニュージー ランド・ドルに対して下落。日本のリセッション(景気後退)深刻化の 兆候が材料視された。

UBSの通貨ストラテジスト、ベネディクト・ジャーマニエ氏 (コネティカット州在勤)は「株価が反発すれば、市場参加者は今より もう少しリスクを取る気になる可能性がある。そうなればユーロにはプ ラス、ドルにはマイナスに働くだろう」と語った。

ニューヨーク時間午後3時47分(日本時間午前4時47分)現在、 ドルの対ユーロ相場は1ユーロ=1.2658ドルと、前日の1.2611ドル から0.4%下落。ユーロは対円で0.3%上げ1ユーロ=124円97銭 (前日は124円65銭)。2月26日には1ユーロ=126円08銭と、1 月8日以来の高値まで上昇していた。ドルは対円では1ドル=98円73 銭と、前日の98円84銭からほぼ変わらず。

ドルは対ユーロで、一時1.6%下げる場面も見られたが、その後下 げ渋りに転じた。

ゲイン・キャピタル傘下FOREX・ドット・コム(ニュージャー ジー州ベドミンスター)のチーフ為替ストラテジスト、ブライアン・ド ーラン氏は「いったん1ユーロ=1.2740ドルの水準を割り込めば、ユ ーロは上昇に転じるかに見えた。だが、実際にはユーロ売りが優勢にな った」と語った。

JPモルガンチェース・インデックスによると、為替オプションに 織り込まれるインプライド・ボラティリティはほぼ4カ月ぶりの低水準 に近づいている。オプション市場では、先進7カ国の通貨が今後3カ月 で年率17%の変動が織り込まれている。同インデックスは、昨年10月 24日に27%へと上昇し、1992年開始以来の高水準となった。

クローナ対ドル

この日は主要通貨の中ではスウェーデン・クローナと南アフリカ・ ランドが対ドルで最も堅調となった。クローナは対ドルで3.5%上昇。 3月5日には6年半ぶりの安値まで落ち込んだ。ランドも対ドルで

3.1%上昇。銅先物の上昇を受けて南アフリカの株式相場が上昇したこ とがきっかけとなった。

S&P500種株価指数は5.6%上昇。ブルームバーグ・ニュースが 入手したメモによると、シティグループのビクラム・パンディット最高 経営責任者(CEO)は、現在の株価は資本力や潜在的な収益力を反映 していないと主張した。MSCI世界指数は4.7%上昇した。

円は対オーストラリア・ドルで1.9%下げ、対ニュージーランド・ ドルでも1.5%安となった。日本のリセッション(景気後退)深刻化の 兆候が材料視され、需要が後退した。

日本の企業景況感

内閣府が発表した1月の景気動向指数は77.1と、前月の79.4か ら2.3ポイント低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミストの予想中央値では77.4となっていた。現在の景気動向を示す 一致指数は89.6と、12月の92.2から低下した。

ドイツ銀行のシニア通貨ストラテジスト、アダム・ボイトン氏 (ニューヨーク在勤)は「日本の経済指標の内容は本当にひどい。市場 参加者は株の下落局面でドルを買い、上昇局面でドルを売っている」と 指摘した。

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