バーナンキFRB議長:金融規制の「抜本的な見直し」を提言

バーナンキ米連邦準備制度理 事会(FRB)議長は10日、金融市場の拡大と破裂のサイクルを 抑制する努力の一環として、金融規制の抜本的な改革を訴えた。

同議長はワシントンで講演し、金融システムと経済の「過剰な 動きを引き起こさないようにするため、規制と会計基準を見直すべ きだ」と述べた。

バーナンキ議長はトレーディング損失の引当金や預金保険の手 数料、マネー・マーケット・ファンド(MMF)の保護など、あら ゆる分野での見直しを議会や規制当局に求めた。議長の発言は米国 が過去の新興市場国と同様、過去15年にわたる大量の資本移動を適 切に監督できなかったとの判断を反映している。

金融安定化を統括する監督機関に関する議論については、従来 の見解をあらためて示した。具体的にどの規制当局がその責任を負 うべきかには言及しなかったものの、金融不安に対処するためにF RBが設立された経緯を踏まえながら、FRBには一定の役割が求 められるとの考えを明らかにした。

議会とオバマ政権は金融監督で大恐慌以来の抜本的な改革に乗 り出しており、議長の発言はFRBがその議論に参加する用意があ ることを示している。

資本充実

バーナンキ議長はまた、深刻な景気悪化に見舞われた場合でも うまく銀行が機能するよう資本充実に向けて、FRBや財務省が 「必要で適切なあらゆる措置を講じる」とあらためて言明した。

さらに「金融市場機能と信用供与の回復に向け、各国政府は引 き続き力強い行動を取る必要があり、適切なら協調行動を取るべき だ」と発言。「金融システムが安定するまで、持続的な景気回復に は至らないだろう」と述べた。

失業率10%に上昇も

バーナンキ議長は当局が実施している銀行の資本査定について 聴衆から問われると、悪いシナリオでは「失業率はしばらく平均で 10%を超える」と回答。10%を超える上昇率は「可能性の範囲内 に十分あるとわれわれはみている」と語った。ただ、それは米連邦 公開市場委員会(FOMC)参加者の大半の予想ではないと付け加 えた。

議長は講演の中で、規制当局が直面している最大の課題として、 ほかの企業と相互に結びつき、破たんした場合に金融システム全体 を危機に陥れる危険性のある巨大銀行への対処を挙げた。

バーナンキ議長は大き過ぎて破たんさせることができない企業 という問題は「深刻だ」と指摘。巨大な企業には「特に厳重な監督」 が必要になると語った。さらに、「連邦預金保険公社(FDIC)が すでに預金取扱機関に対して有しているような企業を接収する権限を 、他の規制当局にも与える必要がある」と話した。

MMF

そのほかの改革点としては、MMFからの資金流出に歯止めを 掛ける措置を求めた。銀行や証券会社が相互に資金を調達するレポ 市場については決済機能の集約が必要になる可能性があると指摘 した。

バーナンキ議長は「金融安定化を図る上で、強固な支払・決済 制度がいかに重要かを考えれば、システム全体にとって重要な支払・ 決済制度の明確な監督権限をFRBに付与することは好ましいと思わ れる」と述べた。

会計規制

同議長は銀行に負担となっている恐れのある会計規制と資本規 制についても見直しを訴えた。「将来を適切に見据えた資本規制に なるよう見直すべきで、資本は好調なときには積み上げ、困難な時 期には取り崩すという緩衝材の役割を果たすべきだ」と主張した。

さらに「価値と損失引当金をめぐる会計基準を一段と見直すこ とは有用で、景気循環の影響を弱める会計規制に変化できる可能性 がある」と述べた。

時価評価会計について問われると、バーナンキ議長は「時価評 価会計の基本的な原理を強く支持する。それは金融機関のバランス シートの透明性と明確性をできるだけ高めることだ」と指摘。「時 価評価会計の停止はまったく支持しない」と付け加えた。

ただ、金融市場が緊張状態にあり、市場で値がつかない場合や 流動性が極度に低いような場合は、時価会計による「数値は誤解を 生んだり、あまり有益でなくなる恐れがある」と述べた。そのよう な場合、規制当局は資産評価において妥当な方法で指針を提供する ことが可能だと語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE