日本株(終了)内需主導で3日続落、景気の厳しさに目-7000円死守

東京株式相場は3日続落し、日経 平均株価、TOPIXとも終値でのバブル経済崩壊後の安値を連日で更 新した。米資産家ウォーレン・バフェット氏の発言をきっかけに世界的 な景況感の悪さに市場参加者の目が向き、電気・ガスや小売、食料品と いった内需関連を中心に外需依存度の高い業種まで幅広く売られた。

明治ドレスナー・アセットマネジメント福島毅執行役員は、「内外 ともに景気は悪いが、相対的には国内の方がひどい。次の景気回復局面 に向けてリストラを行っている外需関連に比べ、内需関連は生産性の低 さも手付かずだ」と話している。

日経平均株価の終値は前日比31円5銭(0.4%)安の7054円98 銭、TOPIXは7.03ポイント(1%)安の703.50。東証1部の売買 高は概算で17億1981万株、売買代金は1兆1525億円。セブン&ア イ・ホールディングス、JR東日本、花王、JTなど、時価総額の大き い内需関連で52週安値を更新する銘柄が目立った。

節目攻防

日経平均で一時64円安の7021円、TOPIXで9.70ポイント安 の700.83と、株価指数はともに心理的節目である7000円、700ポイ ントに急接近した。需給面では外国人売りが上値を抑える半面、「下値 では公的資金と見られる先物買いが断続的に入っている」(SMBCフ レンド証券の中西文行ストラテジスト)。決算期末を控えて機関投資家 が動きにくい中、両者の需給が均衡する格好で節目を維持している。

米保険・投資会社のバークシャー・ハサウェイを率いる資産家ウォ ーレン・バフェット氏は9日、リセッション(景気後退)を脱しても景 気がすぐに回復することはないとの見方を示した。しんきんアセットマ ネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「世界経済は思った以上 に悪い。在庫調整への期待はあったが、需要の縮小で思ったほど進展し ていない懸念がある」と話す。

野村証券金融経済研究所では10日、企業業績の見直しを行った。 主要企業で構成されるNOMURA400(除く金融)の09年3月期経 常利益は前期比61.1%減(前回予想25.4%減)の見通し。予想増収率 は前回予想の0.1%増から、6.1%減へと下方修正されたが、輸出比率 の高い加工業種の減収率は14.6%と落ち込みが大きくなりそうという。

内需関連が下げを主導

内外需とも幅広く売られる中、指数の下げをリードしたのは内需関 連。TOPIXの下落寄与度で電気・ガスが1位、医薬品が2位、小売、 食料品、陸運が軒並み上位を占めた。電気・ガスについては海外原油先 物高がコスト増加懸念につながったほか、「下落した国際優良株に比べ て利回りが劣るなど魅力がない」(明治ドレスナーの福島氏)とされた。 さらに円安が急激に進行する中では、ディフェンシブ全般より「為替の 影響がある業種の方が先行き増額の可能性がある」と、福島氏は見る。

金融や不動産が下支え

半面、銀行や保険、不動産株が指数の下値を支えた。東証業種別 33指数で保険は値上がり1位、不動産は2位、銀行は4位。きのうの 米国では、米連邦預金保険公社(FDIC)保証付き社債85億ドル (約8400億円)相当を起債したことで、バンク・オブ・アメリカが 19%高と急伸していた。

大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画部の高橋和宏部長は、 「エクイティでなくとも資金調達が出来たことで、希薄化懸念から急速 に売り込まれる可能性が後退した」と指摘。信用不安の後退が、安値圏 にある株価の買い戻しにつながったという。

武田薬が続落、東精密は急伸

個別では、糖尿病新薬の米国進展を引き続き不安視された武田薬品 工業が売買を伴って大幅続落。現在の株価は大型新薬による利益成長を 織り込んだとして、野村証券金融経済研究所が格下げしたクミアイ化学 工業、09年10月期の連結純損益が赤字に転落する見通しのカナモトは 急落した。10年1月期業績が急減速する見通しのバルスはストップ安。

半面、固定費圧縮や他社との経営統合などの見方について10日付 の日本経済新聞朝刊が報じ、積極的な経営姿勢が評価された東京精密が 急伸。日興シティグループ証券が需要は最悪期を脱して改善基調などと して目標株価を引き上げたSUMCOは3日ぶりに反発した。海外原油 先物価格の上昇が好感され、国際石油開発帝石は続伸。

ヘラクレスは9日ぶり反発

新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比

0.14ポイント(0.4%)高の38.45と3日ぶり反発。東証マザーズ指 数は0.72ポイント(0.3%)安の279.77と4日続落し、大証ヘラク レス指数は5.06ポイント(1.2%)高の427.86と9日ぶりに反発。

個別では、09年3月期の業績と配当の計画を増額修正したサミー ネットワークスがストップ高。がん細胞特有のたんぱく質に由来する抗 原ペプチドの特許権利を取得したメディネット、次世代半導体の製造で 使う薬品の開発・生産でJSRと包括提携したトリケミカル研究所もス トップ高。半面、社長の持ち株比率が低下したことが明らかになったデ ィー・ディー・エスはストップ安。10日の取引終了後には、08年12 月期計算書類に監査法人が監査意見不表明と発表している。売買代金上 位ではミクシィ、フェローテック、ハドソンも安い。

--共同取材:近藤雅岐 Editor:Shintaro Inkyo

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