期末越え無担保金利、企業金融策で昨年末下回る-日銀は供給拡大へ

金融機関同士が短期資金を貸し借 りする無担保コール市場では、3月決算期末越えのプレミアム(上乗 せ金利)が昨年末を下回っている。年明けから本格化した政府・日銀 の企業金融支援策の効果が浸透しているためだ。来週以降、日本銀行 は資金供給を一段と拡大するとみられており、金利低下が進みそうだ。

四半期末ごとに取引が活発化する無担保コール1カ月物は、期日 が期末を越えた時点で1%超まで上昇したが、0.55%程度まで急低下。 昨年12月の水準1.40-1.60%を大きく下回っている。日本円TIB OR(東京銀行間貸出金利)1カ月物も緩やかな低下が続いている。

市場関係者によると、無担保コールの取引レンジは、1カ月物で

0.3%台後半から0.5%台半ば、3カ月物で0.40%前後から0.60%前 後という。1%前後で資金手当てを進めていた証券会社の金利も半分 以下の水準になっている。

国内大手銀行の資金担当者は、民間企業債務を対象とした日銀の オペレーションが市場にしみわたり、無担保金利の大幅な低下を促し たと指摘。来週以降は再び資金供給量を増やすとみられ、期末に国債 の償還資金が戻ってきてからでは運用難になる可能性もあるとみる。

対応後ずれも効果浸透

日銀は1月の金融政策決定会合で企業が発行するコマーシャルペ ーパー(CP)買い取りを正式に決定。2月の会合では、年初から実 施している企業金融支援特別オペを拡大し、それぞれの企業金融関連 オペを9月末まで延長することも決めた。

この日は7回目の企業金融支援特別オペが実施され、固定金利

0.1%での応札額は4727億円まで減少した。同オペによる期末越えの 供給総額は6兆2000億円程度に達した。午後の本店共通担保オペ(期 日6月11日)の最低落札金利は1ベーシスポイント低下の0.19%と、 期末越え物は3回連続で低下した。

昨年のCPや社債など資本市場における機能不全を受けて、大手 企業からの銀行貸し出しへの需給急増が、銀行による無担保資金の調 達圧力につながっていた。大手銀の担当者は、政府・日銀は昨年10- 12月から対応すべきだったが、遅ればせながらも対応の効果が出てき ているという。

期末の当預拡大、株安は警戒

来週から期末を含む準備預金の積み上げ期間(3月16日-4月 15日)に入り、資金需要が再び高まる可能性もある。日銀は縮小して いる日銀当座預金残高を再び拡大する金融調節を行うとみられている。 23日は国債の大量償還による5兆円規模の資金余剰日も控えている。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、3月末の日銀当座 預金は昨年末の15兆2000億円を大きく上回る可能性が高いとの見方 を示したうえで、「当局の資金繰り支援策は3月末越えの緊張を徹底 的に鎮圧している」と指摘した。

もっとも、日経平均株価が7000円割れ目前と、バブル経済崩壊 後の安値で推移しており、保有株の含み損が膨らむ金融機関にとって 不安感が根強いのも事実。大手銀の担当者は、流動性は潤沢だが、イ ベントリスクには注意したいと話す。

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