財務相:景気回復へ積極財政派に宗旨替え-赤字国債追加も容認(2)

財政再建派の代表格として財政規律 の重要性を訴え続けてきた与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は10 日、急速に悪化している国内景気を下支えするため、これまでの財政再 建路線を一時棚上げし、積極財政路線への「宗旨(しゅうし)替え」を 宣言した。

財務相は同日午前の閣議後の記者会見で、「長い間、財政規律を守 ることをやってきたが、財政規律派の仕事は昨年末の中期プログラムの 策定でとりあえず一時中止。今は経済回復のためにあらゆる政策手段を 取るという、世界各国の一般的な合意に沿って行動する」と言明した。

来年度予算成立後に本格的に検討する追加経済対策の財源について も「あらゆる手段を容認するという意味だ」とあらためて強調し、建設 国債だけでなく赤字国債の追加発行も辞さない構えを明確にした。

財務相はこれまで、赤字国債発行の回避は「財政再建を願う者の当 然の考え方」と語っていた。しかし、今年度第2次補正予算では、7兆 円の税収減を補てんするための赤字国債の発行を容認した。昨年秋以降 急降下している日本経済を下支えするため、従来の再建路線を一時的に もかなぐり捨てざるを得ないと判断したものだ。

「筋金入り」の財政再建派

与謝野財務相は、橋本龍太郎内閣で1997年に赤字国債発行の毎年度 削減を柱に財政健全化を目指した財政構造改革法が成立した時、官房副 長官として法案策定に中心的役割を果たした。以来、「筋金入り」の財 政再建派と目されていた。

昨年末の税制抜本改革に向けた「中期プログラム」では、景気回復 を前提に消費税を含む抜本改革を2011年度から実施すると明記。増大す る社会保障費の安定的な財源確保のため消費税率引き上げの必要性を訴 え、与党内の反発を押し切った。

プライマリーバランス(基礎的財政収支)の11年度の黒字化目標に ついても「相当破れも目立つ旗だが、旗は立っている」と苦しい発言を してきた財務相。内閣府が1月に公表した「経済財政の中長期方針と10 年展望」の参考試算では、国と地方を合わせた黒字化は11年度には達成 できず、早くても14年度になるとしている。

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