日本株は続落へ、景気懸念で輸出や金融中心に売り-下支え要因も

東京株式相場は3日続落となる見 通し。世界経済の悪化が国内企業収益に与える影響が懸念され、トヨタ 自動車やみずほフィナンシャルグループなど輸出関連や金融中心に売り が増加しそう。

りそな信託銀行の下出衛チーフエクイティストラテジストは、「こ のところ下げの主役である金融株は世界的な資金逃避に巻き込まれてい る。きょうは金融株が下げ止まるかが焦点になる」と見ている。その上 で、きょうの日経平均株価は取引時間中に安値を更新するものの、中国 の経済指標次第では取引終了にかけては戻る可能性もあると予想した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の9日清算値は 6980円で、大阪証券取引所の通常取引終値(7050円)比70円安。

バフェット氏発言

9日の米国株市場や欧州株市場は下落した。米保険・投資会社、バ ークシャー・ハサウェイを率いる資産家ウォーレン・バフェット氏は9 日、米経済専門局CNBCとのインタビューで、米経済は「がけから転 落した」と発言。米国民が恐怖心や混乱から購買行動を変えているとし、 リセッション(景気後退)を脱しても景気がすぐに回復することはない との見方を示した。

米国経済の落ち込みが世界景気の悪化を長期化させるとの警戒から、 海外依存度の高い自動車、電機・精密、機械などの業種にはきょうも売 りが継続する可能性がある。ブルームバーグの事前調査でマイナス幅拡 大が予想される、あす11日の1月機械受注などへの警戒も買い手控え 要因となりそうだ。

米主要3指数の9日終値は、S&P500種株価指数が前週末比

6.85ポイント(1%)安の676.53と、終値ベースで1996年9月以来 の安値。ダウ工業株30種平均は79.89ドル(1.2%)安の6547.05ド ル、ナスダック総合指数は25.21ポイント(2%)安の1268.64。

中国マクロ指標や政策期待で見直しも

一方、9日のニューヨーク外国為替市場では円安が進行した。1月 の日本の経常収支が13年ぶりに赤字転落したことを受け、逃避通貨と しての円需要が後退している。東京時間早朝でも対ドルで98円台後半、 対ユーロでは124円台半ばで推移している。輸出関連株は景気悪化に よる需要減少懸念に投資家の焦点が当たっているものの、採算改善につ ながる円安傾向は下値を支える可能性がある。

また、9日のニューヨーク原油先物相場は3.4%高の1バレル=

47.07ドルと続伸した。石油輸出国機構(OPEC)が15日にウィー ンで開かれる総会で減産を決定するとの観測が背景となっている。りそ な信託の下出氏によると、「非鉄など景気敏感株はこのところ金融株と は逆方向に動いている。中国のマネーサプライが取引時間内に発表され、 もし好感されるようなら、景気敏感株の買いに弾みが付く可能性があ る」とも話していた。

こうした中、10日付の読売新聞朝刊は、早ければきょうにも政府 が株価対策を発表すると報じている。株価水準が低いだけに、対策の内 容次第では、下値での買いや買い戻しが膨らむことも予想される。

三井物が上昇見込み、クミアイ化は下落も

個別に材料が出ている銘柄では、クレディ・スイス証券が世界景気 の悪化などを織り込んで業績予想は引き下げたものの、株価の割安感か ら投資判断を「ニュトラル」から「アウトパフォーム」へ引き上げた三 井物産と丸紅が上昇しそう。10年1月期の連結経常利益予想が前期比 11%増のバルス、ベトナムの発電事業に参入することを決めた電源開 発も堅調の見込み。

半面、現在の株価は大型新薬による利益成長を織り込んだとして、 野村証券金融経済研究所が格下げしたクミアイ化学工業、2月の既存店 売上高(連結ベース)が前年同月比11%減の大庄は安くなりそう。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE