NY外為:円下落、経常収支赤字転落で逃避先人気に陰り(2)

9日のニューヨーク外国為替市場で は、円がドルとユーロに対して下落。1月の日本の経常収支が13年ぶ りに赤字転落したことを受け、逃避通貨としての円需要が後退した。

ポンドは1月以降で初めて1ポンド=1.38ドルを割り込んだ。英 政府が英銀ロイズ・バンキング・グループの持ち分を最大75%に引き 上げることで合意したことがきっかけとなった。ドルは大半の主要通貨 に対して上昇。世界的不況が深刻化する中で、逃避先としてのドル需要 が強まった。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外国為替担当マネジングデ ィレクター、ジャック・スピッツ氏(トロント在勤)は「日本の貿易赤 字が過去最大に膨らんだうえ、経常収支も13年ぶりに赤字転落したこ とで、円が圧迫された。円とポンドはともに弱含んでいるが、どちらが より軟調となるかはまだ分からない」と語った。

ニューヨーク時間午後4時03分(日本時間午前5時03分)現在、 円の対ドル相場は1ドル=98円84銭と、6日の98円25銭を0.6% 下回っている。対ユーロでは1ユーロ=124円61銭と同124円34銭 から0.2%下落した。一方、ユーロの対ドル相場は0.4%下げ1ユーロ =1.2608ドル(6日は1ユーロ=1.2653ドル)。

カナダ・ドルは米ドルに対して一時1.5%下げ、2004年9月以来 の安値を付けた。カナダ・ドルは2008年に18%下げ、記録的な下落 率となった。世界的な景気後退を受けて商品への投資需要が激減したこ とが背景となった。同国では輸出収入の約半分を商品が占めている。

世界銀行が8日公表した報告書によると、世界経済は今年、第2次 世界大戦後初のマイナス成長となる可能性が高く、世界貿易は過去80 年間で最大の落ち込みとなるとの見通しを示した。

ドル指数

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.6%上昇し、

89.007。同指数は先週89.624と2006年4月以来の高水準まで上昇し た。S&P500種株価指数は1%低下。先週はここ3カ月で最大の落ち 込みとなっていた。ダウ・ストックス600指数も1%下げた。

ポンドは主要16通貨に対して下落。英政府はロイズ・バンキン グ・グループの経営権を握るとともにリスク資産2600億ポンド(約 36兆円)を保証することで同行と合意した。ポンドは対ドルで一時

2.5%下げ1ポンド=1.3743ドルと1月26日以来の安値を付けたほか、 対ユーロでも1.8%安い1ユーロ=91.47ペンスまで下げた。

円はドルとユーロに対して下落。日本の財務省が発表した1月財政 収支が1728億円の赤字となったことが背景。赤字額は比較可能な統計 が開始された1985年以来で最大となった。

多額の経常赤字

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の通貨戦略世界 責任者、マーク・チャンドラー氏は9日、「経常赤字は驚くほど多額で あり、日本経済の縮小ペースが減速する兆しはまるで見られない」との 見解を示した。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、アンドルー・シャベリア氏 (ニューヨーク在勤)によると、ドル・円の相対力指数はドルが依然と して買われ過ぎ状態にあり、今後3-5日間で1ドル=100円まで円安 が進む可能性は低いことを示唆している。

シャベリア氏は「今日1ドル=99円を大幅に超えなければ市場参 加者は苛立つかもしれないが、長期的に見ればドルはいずれ上昇する」 と述べた。

-- Editors: Dennis Fitzgerald, James Holloway

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