債券先物が高い、景気懸念や株安・中期債堅調で-超長期軟調(終了)

債券市場では先物相場が高い(利 回りは低下)。朝方は売りが先行したが、1月の経常収支が13年ぶ りに赤字に転落するなど指標が景気悪化を示す弱い内容となる中、株 式相場が朝高後に下げに転じたことが買い材料となった。現物市場で は中期債が堅調に推移した一方、超長期や長期債は軟調となった。

新光証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、「先物3月物 と6月物とのバランスの修正の買い、ユーロ円TIBOR(東京銀行 間取引金利)が低下基調となり、中期ゾーンがしっかりしていること が相場の支えとなった」と述べた。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比15銭安の138円49 銭で取引を開始し、すぐに日中安値138円42銭まで下げた。その後 は徐々に水準を戻し、横ばい圏で推移した。午後の取引終盤にかけて 買いが増えると、一時は17銭高まで上昇した。結局は10銭高の138 円74銭で終えた。3月物の日中売買高は1兆6407億円。

先物市場では、3月物の最終売買日を11日に控え、中心限月交 代に向けた、6月物への乗り換えが進んだ。この日の3月物と6月物 との限月間スプレッド(格差)取引は1兆2455億円と、初めて1兆 円台に乗せた。同取引の終値もマイナス15銭からマイナス2銭とな った。

朝方の債券市場では、前週末の米国債の下落が圧迫要因になって いた。三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は、「米債相 場が弱かったことを受けて売りが先行した。ただ、株価がマイナス圏 に落ち込んだことでやや値を戻した」と説明。日経平均は反発して始 まったものの、下げに転じて、87円7銭安の7086円3銭で引けた。 終値は昨年10月に付けたバブル経済崩壊後の安値を更新した。

午前に発表された1月の経常収支は、1996年1月以来13年ぶり に赤字に転落した。今週は、機械受注統計や昨年10-12月期の国内 総生産(GDP)改定値が発表されるが、いずれも景気の悪化を示す 弱い内容が見込まれており、相場を支えるとみられている。

こうした中、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は9日午後の 参院予算委員会で、2009年度末の国・地方を含めた長期債務残高が 804兆円、対国内総生産(GDP)比で158%に上る見込みであるこ とを明らかにした。また、与謝野氏はまた、これに政府短期国債と財 政投融資債を含めると、09年度末の発行見込み額は1069兆円と、 1000兆円を突破する見込みであると語った。

債券市場は、長期債務残高が想定されていた金額だったとみられ、 与謝野発言に対する反応は限定的だった。ただ、新光証の三浦氏は 「財政拡大に歯止めをかける議論もしたいという意向とみられ、需給 悪化だけでは債券が売れないことも確認できた」と話した。

新発10年債利回りは1.295%

現物債市場で、新発10年物の299回債利回りは、前週末比変わ らずの1.29%で取引を開始した。いったんは1ベーシスポイント (bp)高い1.30%に上昇したが、そこでは買いが入り、午前の終値 は1.29%だった。午後に入っても1.29%で推移したが、3時前後か ら再び1.30%に上昇。その後は1.295%で取引されている。

超長期債は下落。新発20年債利回りは3bp高い1.91%、新発 30年債利回りは3.5bp高い1.995%に上昇している。一方、新発5 年物の80回債利回りは0.5bp低い0.725%に低下している。

T&Dアセットマネジメントの竹田竜彦ファンドマネジャーは、 「景気の悪化は金利低下要因だが、一方で財政拡大観測が高まってお り、動きが取りにくい。ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件) と需給懸念とが綱引きをしている状態で、少なくとも期末を越えない と相場に方向性が出ない」と言う。

--共同取材:池田祐美、宋泰允 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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