欧州企業の起債、過去最高ペース-国債大量発行前に資金確保急ぐ

国債と比較した借り入れコストが 記録的な水準にあるにもかかわらず、欧州企業は過去最も速いペース で起債を行っている。国債の大量発行を前に資金確保を図る一方、銀 行からの借り入れへの既存度を下げる狙いもある。

フランス電力公社(EDF)やエンジニアリング欧州最大手の独 シーメンス、フランスのメディア大手ビベンディを中心に欧州企業が 今年1-2月に行った起債による調達額は2580億ユーロ(約32兆円) と、前年同期(1104億ユーロ)の2倍強に達した。経営幹部らによる と、欧州各国政府は景気対策の財源確保のため8000億ドル余りに上る 未曾有の国債発行を年内に予定しており、各社は資金を奪い合う事態 を避けるため、現時点で必要以上の資金を調達している。

EDFのダニエル・カミュ最高財務責任者(CFO)はインタビ ューで、「年初の状況は理想的だった。私が考えるには、各国政府が 借り入れに殺到し、長期債の発行は年内に増えるだろう。今年必要な 分は確保した」と述べた。EDFは今年1月に79億ユーロ相当を起債 している。

世界的な信用収縮の影響で、プレミアム(上乗せ金利)が過去最 高水準に上昇しているにもかかわらず、企業は起債を行っている。米 シティグループや英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グル ープ(RBS)など多くの金融機関が公的支援を求めるなかで、企業 は銀行への依存度も減らそうとしている。

ビベンディのフィリップ・カプロンCFOはインタビューで、「銀 行融資を減らす形に債務構成を調整したいと思った」と語り、「銀行 の経営形態が今後どう変わり、融資の方針がどうなるか誰にも分から ない。われわれは銀行に翻弄(ほんろう)されたくなかった」と説明 した。ビベンディは1月に14億ユーロ相当の社債(表面利率7.75%) を発行している。

1-2月の世界の社債発行は、欧州企業がその半分以上を占めた。 国債に対するプレミアムは記録的高水準のままだが、景気てこ入れの ため各国中央銀行が利下げを続けるなかで、借り入れコストは全般に 低く抑えられている。

シーメンスのジョー・カエザーCFOも「起債に適した時期だ。 今後数カ月で国債が大量に発行されるだろう」と述べた。ユーロ圏の 政府が発行した国債は先週だけで184億ユーロと、過去3年の週平均 (58億ユーロ)の3倍以上に達した。

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