原油:50ドルに上昇との見方強まる-OPEC追加減産予想で

:石油輸出国機構(OPEC)によ る過去最高水準の減産により世界の原油市場の供給過剰が解消され、 原油相場が2カ月後に50ドルまで上昇するとの見方が、トレーダーの 間で強まっている。

原油相場は過去最高値の1バレル当たり147.27ドルに達した昨 年7月以降、69%下落。トレーダーらは底値を探っている。銀行間エ ネルギー取引のブローカー最大手、PVMオイル・アソシエーツによ ると、OPECは昨年9月以降、原油供給を13%削減しており、在庫 は日量140万バレル減少している。ブルームバーグ・ニュースが実施 した調査によると、OPECは15日にウィーンで開く総会で、追加減 産で合意すると予想されている。

国際エネルギー機関(IEA)によると、原油需要は今年、2年 連続で減少するとみられている。2年連続で減少すれば1983年以来と なる。

BNPパリバ(ロンドン)の石油担当シニアアナリスト、ハリー・ チリンギリアン氏は、OPECの減産により供給過剰は十分に解消さ れる」と指摘。「OPECが追加減産を実施し、あまりにも積極的に相 場引き上げを目指せば、景気が低迷するなか市場が過剰に逼迫(ひっ ぱく)するリスクがあり、景気回復が遅れる可能性がある」との見方 を示す。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は9日、 続伸し、一時、前週末比2.7%高の1バレル当たり46.76ドルとなり、 今後も上昇を続けるとの見方が強まっている。原油先物4月限は先週、

1.7%上昇。前週は12%上げた。ブルームバーグ・ニュースが昨年12 月以降、アナリスト25人を対象に実施した調査の中央値では、原油先 物相場は2009年4-6月(第2四半期)に反発し、平均は49.56ドル になると予想されている。

オプションは倍増

NYMEXで5月14日までに原油を50ドルで購入する権利であ るオプションは先週、2倍以上に増加し、1万6952枚となった。オプ ション価格は8%上昇した。

ヘッジファンド運用会社のブルーゴールド・キャピタル・マネジ メント(ロンドン)のピエール・アンドュランド最高投資責任者(C IO)は、OPECが追加減産に合意すれば原油相場が60ドルに上昇 する可能性があるとの見方を示した。同社の年初来リターン(投資収 益率)は31%となっている。ヘッジファンドを運用する資産家、ブー ン・ピケンズ氏は先週、経済ニュース専門局CNBCとのインタビュ ーで、原油相場が09年に75ドルに上昇するとの見通しを示した。

ベネズエラ、アルジェリア、カタールのOPEC閣僚は、15日の 総会で追加減産の合意が必要になる可能性があると予想。世界最大の 原油輸出国、サウジアラビアは見解を示していない。サウジのアブド ラ国王とヌアイミ石油鉱物資源相は昨年、生産国と消費国双方にとっ ての適正価格は75ドルであるとの見方を示している。

アルジェリアのヘリル・エネルギー・鉱業相は今月2日、マドリ ードでインタビューに応じ「産油国による減産の可能性が強まってい る。これは、経済危機とかなり強く結び付いている。危機は誰もが考 えていた以上に深刻だ」と述べた。

アナリスト予想

ブルームバーグ・ニュースが3日と4日にアナリスト41人を対象 に実施した調査では、31人がOPECは来週の総会で4度目の減産実 施で合意すると予想。減産幅が日量50万-100万バレルと予想したの は13人、100万バレルと見込むのは12人、150万バレルとみるのは2 人だった。その他の回答者は予想減産幅を特定するのを控えた。41人 中10人が据え置きを予想した。

米国の原油在庫は昨年10月から今年1月にかけて17%増加した が、その後、横ばい状態となっている。在庫は2月最終週に減少。昨 年9月以降、在庫が前週比で減少したのは4回のみとなっている。

世界の原油在庫の減少で「順ざや」に伴う原油貯蔵による利益が 縮小しつつある。現物や期近物より期先物の方が高い状態を順ざやと 言う。

コンサルタント会社JBCエナジー(ウィーン)のヨハネス・ベ ニーニ最高経営責任者(CEO)は「OPECが減産を実施しなくて も相場は10%か15%、力強く上昇するだろう」と予想。「順ざやは徐々 にだが確実に消え去りつつあり、そのことは、これまでの減産の効果 が表れていることを示す」と指摘した。

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