債券は先物が小幅安、米債下落で売りが先行-景気懸念や株安下支え

債券市場では先物相場が小幅安 (利回りは上昇)。前週末の米国債相場の下落を引き継ぎ、売りが先行 した。その後は、世界的な金融不安や景気懸念が根強いなか、日経平均 株価が下げに転じたことが支えとなり、下げ幅を縮めた。

三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は、「米債相場が 弱かったことを受けて売りが先行した。ただ、日経平均株価がマイナス 圏に落ち込んだことに合わせて、やや値を戻した。米雇用統計の内容の 悪い内容は事前に織り込まれていたが、時間が経てばドル売りの方向と して消化されていくとみている」と説明した。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比15銭安の138円49 銭で取引を開始し、すぐに午前の安値138円42銭まで下げた。その後 は徐々に水準を切り上げ、一時は6銭高の138円70銭まで上げた。再 び軟化して、1銭安の138円63銭で終えた。3月物の午前売買高は1 兆414億円。

先物市場では、3月物の最終売買日を11日に控え、中心限月交代 に向けて6月物への乗り換えの取引が増えている。午前の3月物と6月 物との限月間スプレッド(格差)取引は7610億円。前週末6日の日中 売買高は8841億円と、5日から倍増した。

日経平均株価は続落。朝方は小幅高で寄り付いたものの、その後は 下げに転じ、57円91銭安の7115円19銭で午前の取引を終了した。

財務省が9日発表した1月の国際収支状況によると、経常収支は 1728億円の赤字に上り、ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調 査の赤字額の予想中央値である153億円を大幅に上回った。

新発10年債利回りは1.29%

現物債市場で、新発10年物の299回債利回りは、前週末比変わ らずの1.29%で取引を開始した。その後、1ベーシスポイント(bp) 高い1.30%をつけたが、結局横ばいの1.29%で引けた。

超長期債は弱含み。新発20年債利回りは0.5bp高い1.885%、新 発30年債利回りは1bp高い1.97%でそれぞれ引けた。一方、新発5 年物の80回債利回りは0.5bp低い0.725%で推移している。

損保ジャパン・グローバル運用部債券運用第1グループリーダーの 砺波政明氏は、「小幅なレンジ相場が続いている。世界的にファンダメ ンタルズ(経済の基礎的諸条件)の悪化に対して、景気対策や取れに伴 う国債増発懸念が強く、綱引き状態」と語った。

米雇用統計悪化も米株高・債券安

前週末6日の米債相場は反落。630億ドル相当の中長期国債の入 札を翌週に控えて売りが優勢となった。一方、米株式相場は反発。ダウ 工業株30種平均は32.50ドル上昇の6626.94ドル、S&P500種は 前日比0.1%高の683.38で終了した。

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (季節調整済み)は前月比65万1000人減少と、3カ月連続で60万人 以上の雇用減となった。また家計調査に基づく2月の失業率は8.1%と、 1983年12月以来の高水準に上昇した。

第一生命経済研究所主任エコノミストの桂畑誠治氏は、3月17、 18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、「米連邦準備制度理事 会(FRB)は、資産担保証券(ABS)などの買い取り増額、国債の 買い取り準備の開始表明など『信用緩和』策を強化する」と予想してい る。

--共同取材:宋泰允 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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