B・グレアム理論ではS&P500は依然割高-バフェット氏も運用失敗

割安な銘柄に投資するバリュー投資の 父と称され、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が師と仰いだベンジ ャミン・グレアム氏が生きていたなら、S&P500種株価指数が過去1 年5カ月で56%の下落を演じたものの、米株式相場は依然として割高だ と言うだろう。

グレアムは株価の評価尺度となる企業収益のひずみを平たん化する ため、10年間の利益を評価に使用した。エール大学のロバート・シラー 教授によると、この手法に基づくS&P500種の株価収益率(PER) は現在13.2倍。1929年以降の最も深刻な3回のリセッション(景気後 退)の底では、PERは10を下回っており、その水準に達するにはS& P500種はあと27%下落する必要がある。

2007年8月のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン担 保証券市場の崩壊に端を発した株式相場の総崩れを受け、株価は持続的 下落で割安になったと主張していた米資産運用大手レッグ・メイソンの ビル・ミラー氏やトラキス・パートナーズのバートン・ビッグス氏ら著 名投資家が足をすくわれた。1950年代にグレアム氏の下で働いたバフェ ット氏も昨年10月17日に株式を購入していることを明らかにしていた が、その後S&P500種は28%下落し、今月6日は683.38で終了した。

グレアム理論の信奉者

1966年にいち早くグレアム投資法を学んだカザノブ・キャピタル・ マネジメントのロビン・グリフィス氏は「恐慌下にあるため、グレアム 氏とシラー氏のPERは1けたに低下すると予想される」と述べ、「ひど い恐慌なら、S&P500種は400または500に達する恐れがある。相場 下落で投資価値が高まりつつあるのは明らかだが、最も安いという水準 ではない」と指摘した。

バフェット氏は、1976年に82歳で死去したグレアム氏とデービッ ド・ドッド氏による著書「証券分析」を34年に教科書として使い、その 投資手法を活用して自身の投資会社を時価総額1120億ドルの巨大企業 に発展させた。

同氏は昨年10月17日にニューヨーク・タイムズ紙への寄稿文で米 国株を購入していることを明らかにしたが、その後も株安は継続。今年 2月28日の株主への年次書簡では、原油価格が昨年ピーク付近にあった ときに石油大手コノコフィリップス株を購入したのは「大きな誤り」だ ったと認め、米経済は今年「ひどい状況」に陥った後、回復に向かうと の見方を示した。

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