訂正:1月経常収支は13年ぶりに赤字転落-輸出急減で貿易赤字(2)

1月の経常収支は1996年1月以来13 年ぶりに赤字に転落した。世界経済の悪化を背景とした輸出の急減に歯 止めが掛からず、貿易収支が大幅な赤字となったことが主な要因。所得 収支も世界的な株安や円高の進行により黒字額の減少が続いた。

財務省が9日発表した1月の国際収支状況(速報)によると、経常 収支は1728億円の赤字に上り、ブルームバーグ・ニュースのエコノミス ト調査の赤字額の予想中央値である153億円を大幅に上回った。

このうち、貿易収支は8444億円の赤字で、3カ月連続の赤字。いず れも赤字額は比較可能な1985年1月以降最大を記録した。所得収支の黒 字額は直接投資収益や債券利子の受け取りが減少し、前年同月比31.5% 減の9924億円と4カ月連続で黒字幅が縮小した。減少率は2000年6月 (46.1%)以来の大きさだった。

米国発の世界的な金融危機が各国の実体経済に波及する「負の連鎖 」が鮮明となるなかで、外需の急激な落ち込みが日本経済に大きな打撃 を与えている。2002年2月から07年10月までの戦後最長の景気拡大局 面の原動力となった自動車・同部品、半導体等電子部品などの輸出は極 度の不振に陥っており、けん引役の不在から1-3月期の実質GDP( 国内総生産)成長率は4四半期連続のマイナス成長が見込まれている。

季節要因の影響も

1月の経常収支が赤字となった背景には、毎年1月は正月休みの影 響で輸出が減少し、貿易収支が他の月に比べて悪化しやすいという季節 要因もある。今年は中国などの春節(旧正月)が1月末だったことも響 いた。過去3回あった経常収支の赤字は、いずれも1月だった。同省で は1月は正月があるため輸出が減る傾向にあると説明している。

午前9時52分現在の円の対ドル相場は1ドル=98円21銭。統計発 表前は同98円16銭前後だった。日経平均株価は前週末比7円73銭安の 7165円37銭と小動きで推移している。

エコノミストの間では、経常収支の赤字は一時的との見方が多い。 バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは「前期 比で見た場合、輸出は09年7-9月期まで減少を続ける公算が大きい」 としながらも、「1月の経常収支の赤字は季節要因の影響を強く受けて おり、09年を通じて定着すると見るのは現時点では早計」とみていた。

第一生命経済研究所の小杉晃子エコノミストは発表後、「世界的な 景気後退が続く限り、当面、貿易収支の改善は期待し難い。各国による 財政・金融政策の具体的な効果は見いだし難い。先行きについても、貿 易収支の悪化を背景に経常赤字となる可能性が懸念される」との見方を 示した。

季節調整済みでみると、1月の経常収支は黒字で黒字額は前月比

53.7%減の2580億円、貿易収支は4054億円の赤字で赤字額は前月から ほぼ倍増した。

財務省が先月発表した1月の貿易統計確報(通関ベース)によると 、同月の貿易収支は9569億円の赤字となり、4カ月連続の赤字を記録し た。輸出額は前年同月比45.7%減の3兆4804億円と過去最大の減少率 を記録。輸入額は同31.7%減の4兆4372億円と3カ月連続の減少だっ た。

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