日本株は輸出関連中心に続落へ、雇用など米景気統計の悪化を警戒

週明けの東京株式相場は続落する見 通し。米国の景気悪化に歯止めがかからず、販売数量減少への警戒から トヨタ自動車やソニーなど輸出関連中心に安くなりそう。世界的に金融 機関の経営不振が続き、銀行など金融株も下げるとみられる。

野村証券金融経済研究所の芳賀沼千里ストラテジストは、「雇用統 計は分かってはいても、かなり厳しい内容だった。海外の流れを受け、 国内でも株式への売り圧力は続くだろう」と見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の6日清算値は 7160円で、大阪証券取引所の通常取引終値(7170円)比で10円安。

米失業率が83年以来の高水準に

米労働省が6日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比65万1000人減少と、 3カ月連続で60万人以上の雇用減となった。製造業は前月に比べてマ イナス縮小した半面、広義のサービス業は落ち込みが拡大した。家計調 査に基づく2月の失業率は8.1%と、1983年12月以来の高水準に上昇。

雇用者数の減少はブルームバーグの事前予想の中央値(65万人減 少)とほぼ同じ水準だった。過度な不安が後退する形で先週末の米国株 は小幅高で終わっているが、米個人消費の急激な悪化に歯止めがかかっ ていない現状は、国内の輸出関連企業の業績懸念につながる可能性があ る。9日付の日本経済新聞朝刊は、住宅着工やビル建設の不振を背景と して、コマツが今年末までに北米の工場を半減させると報じている。

根強い金融不安も金融株中心に重しとなりそう。英金融大手ロイ ズ・バンキング・グループは7日、英財務省の資産保証プログラムへの 参加を正式発表した。バランスシート上の2600億ポンド相当の資産に 対する保証と引き換えに、英政府に経営権を譲渡して公的管理下に入る。 また金融庁は、大手銀行などの2008年12月末の証券化商品の損失額 (07年4月からの累計)が合計で1兆8590億円になったと発表。銀 行や保険、その他金融株の経営環境の厳しさが再認識されそうだ。

下値は限定も

ただし、株価の下値についても限られそうだ。先週末のニューヨー ク外国為替市場では、世界的に経済が低迷する中で逃避先としての円に 対する需要が弱まった。週明けの東京時間早朝では円は対ドルで98円 台前半、対ユーロでは124円台半ばとやや円安傾向。輸出関連は数量 減が続くと想定されるが、円安は採算改善要因となって下値を支えそう。

先週末の米ダウ工業株30種平均は前日比124ドル安まで売られる 場面があったが、取引終了にかけて急速に戻した。みずほ証券の北岡智 哉ストラテジストは、「市場は経済指標の悪化に一時期の失望続きから 慣れも出ており、米国株は徐々に下値が限られてきた」と指摘する。株 価が下落する局面では、国内の株価対策、4月2日にロンドンで開催す る20カ国・地域(G20)の首脳会合への期待感も高まりやすそうだ。

米主要3指数の6日終値は、ダウ工業株30種平均は前日比32.50 ドル(0.5%)高の6626.94ドル、S&P500種株価指数は0.1%高の

683.38、ナスダック総合指数は0.4%安の1293.85。

武田薬が急落公算、村田製は上昇か

個別に材料が出ている銘柄では、販売許可申請中の2型糖尿病治療 薬SYR-322の審査状況について、米国食品医薬品局(FDA)から現 在の臨床試験データは、統計的要件を十分に満たしているとは考えてい ない、との連絡を受けた武田薬品工業に売りが増えそう。同薬の承認遅 れは確実視されるとして、クレディ・スイス証券や野村証券金融経済研 究所ではそれぞれ投資判断を「中立」へ引き下げた。

2009年3月期の業績予想をそろって下方修正した大王製紙や伊藤 ハム、リケンなどのほか、09年3月期の期末配当を無配にすると発表 したパイオニアも下落が予想される。

半面、UBS証券が在庫適正化に伴い循環回復へ向かう公算が大き いとして電子部品セクターを「強気」に引き上げるとともに、投資判断 を引き上げた3社(村田製作所、太陽誘電、日本航空電子)は高くなり そう。10年3月期の増益幅は他社をしのぐと予想し、日興シティグル ープ証券が格上げした常陽銀行、妥当PBR(株価純資産倍率)から見 て株価は割安と判断野村金融研が格上げしたオリックス、三菱UFJ証 券が格上げした旭化成なども上昇する見込み。

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