【今週の債券】もみ合いか、指標悪化支え-米金利上昇や益出し警戒

今週の債券相場はもみ合いが予想さ れる。週内に発表される機械受注や国内総生産(GDP)などの重要経 済統計は弱い内容となる見込み。ただ、足元の景気悪化はすでに相場に 織り込み済みで、積極的な買い材料にはなりにくい。半面、需給懸念を 背景にした米国長期金利の上昇や、3月決算期末に向けた債券での益出 し売りが相場の上値を抑えそうだ。

10年債利回り予想レンジ1.22-1.34%

今週の新発10年債利回りについて、6日夕までに市場参加者3人 にヒアリングしたところ、全体の予想レンジは1.22%から1.34%とな った。前週末の新発10年債(299回債)利回りの終値1.29%を挟んだ 推移になる見通し。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、今週 の相場について、「米国金利や株価動向が引き続き外部環境面での注目 材料だが、よほどのことがない限り、1.25-1.33%程度のレンジを抜 けるのは難しい」という。新発10年債利回りは、2月中旬以降で

1.2%台半ばから1.3%台前半のレンジで推移している。

今週の米国債市場では、10日の3年債を皮切りに、総額で630億 ドル相当の国債入札が予定されており、需給に不安がある。前週末に発 表された2月の米雇用統計では、失業率が8.1%と約25年ぶりの高水 準となったが、需給懸念を背景に米長期金利は上昇した。連動性の高い 円債市場にマイナスの影響を及ぼしそう。みずほインベスターズ証券の 落合昂二シニアマーケットエコノミストは、「米国債市場では入札がイ ベントリスク化しつつある」と警戒する。

一方、国内指標は景気悪化を示す弱い内容となりそうだ。11日発 表の1月の機械受注統計は、ブルームバーグ調査では前月比5.0%減と 4カ月連続マイナスの見通し。12日発表の昨年10―12月期の実質GD P改定値は、前期比年率で速報段階の12.7%減からやや下方修正され る見通し。ただ、「機械受注などが悪いことは分かっている」(三井住 友アセットマネジメント・堀川真一保険資産運用グループヘッド)とい った声も多く、相場上昇も限られそう。

国内株価動向も注目される。日経平均株価は今週、昨年10月28 日の取引時間中のバブル経済崩壊後の安値(6994円)を試す展開が予 想される。通常、株安は、債券の買い材料になるが、決算期末を控えて いるだけに益出しの売りを促す可能性も高い。日興シティグループ証の 佐野氏は「教科書的な株安・債券高と、益出しの債券売りが対立しそう だ」という。

5年入札に注目、クーポン0.8%なら人気も

材料面では、12日実施の5年利付国債(3月債)入札が注目だ。 前週末の入札前取引では、複利利回りで0.755%付近だった。このため、 表面利率(クーポン)は、前回債と同じ0.8%か、0.1ポイント低い

0.7%が予想されている。発行額は前回債と同額の2兆円程度。

日興シティグループ証の佐野氏は、5年債入札について、「利回り

0.8%接近での需要は強いとみられ、不安は小さい」という。三井住友 アセットの堀川氏は、「クーポンが0.8%となれば、人気が出る」と予 想している。

市場参加者の予想レンジとコメント

6日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の通 り。先物は中心限月6月物、新発10年国債利回りは299回債。

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物6月物138円40銭-139円60銭

新発10年債利回り=1.24%-1.34%

「先物は限月交代を控えて買い建ての売りが出やすいうえ、ファ ンドの売りも警戒される。ただ、米景気悪化や金融危機など、大きく売 り込める環境でもない。5年は入札前に売りが出ても、0.7―0.8%の水 準では需要が強い。過度の株安は、ポートフォリオのリバランスから債 券の売りにつながるリスクがある。再建策が難航しているGM(ゼネラ ル・モーターズ)の行方が引き続き焦点」

◎大和住銀投信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ー 先物6月物138円10銭-139円60銭

新発10年債利回り=1.22%-1.32%

「今週は、米国債市場で入札が続くうえ、11日までに先物の中心 限月交代がある。相場は底堅いながらも上値は重い展開。12日の5年 債入札を無事に通過できれば、堅調推移になるのではないか。5年入札 はクーポンが0.7%であれば悪くない結果とみている。メインプレーヤ ーの銀行勢にとって、5年債の0.7%台は資金を積むには良い水準」

◎三井住友アセットマネジメント・堀川真一保険資産運用グループヘ ッド 先物6月物138円00銭-139円20銭

新発10年債利回り=1.25%-1.31%

「5年債入札は、償還が3カ月延びるので、クーポンが0.8%とな れば人気が出る。無難な結果ではないか。3月中は動意薄とみている。 機械受注統計など指標が悪いことは分かっている。日銀も有効な手段は ない感じで、3月末が最悪ではなく、一段と悪化することを前提に考え ているようだ。米連邦準備制度理事会(FRB)も政府にもっと動いて 欲しいのではないか」

--共同取材:池田祐美、宋泰允、船曳三郎 Editor:Norihiko Kosaka,Hidenori Yamanaka

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