3月6日の海外金融・株式・為替市場

○米国株:反発。銀行株とエネルギー株が買いを集めた。複合企業ゼ ネラル・エレクトリック(GE)の金融子会社による資本増強計画や、 原油先物の値上がりが好感された。ダウ工業株30種平均は引け前35分 でこの日の安値から150ドル強上昇した。

GEは6日ぶりに上昇。サンフォード・C・バースティーンとメ リルリンチのアナリストがGEの金融子会社は十分な資金力があるとの 見方を示したのが背景。石油のシェブロンとエクソンモービルはいずれ も上昇した。

USグローバル・インベスターズ(テキサス州サンアントニオ) のシニアトレーダー、マイケル・ナスト氏は「連日、失望する値動き ばかりで、まったくひどかった。明るいムードで一日を終えた事実は 歓迎する」と語った。

ダウ工業株30種平均は前日比32.50ドル(0.5%)上昇し、

6626.94ドルで終了。S&P500種株価指数は前日比0.1%高の683.38。 S&P500種は一時、2.3%安まで売りこまれた。

週間ベースではダウ工業株30種平均は6.2%安。S&P500種は 同7%下落。過去14週間で最大の値下がりだった。

この日のGEは前日比6%高。同社の株価は年初来、59%下落し ている。

エネルギー株

S&P500種エネルギー株価指数は1.5%高。産業別10指数のな かで値上がり率最大だった。この日は一時、1.9%安まで売り込まれる 場面もあった。シェブロンは3.2%上昇、エクソンは2.9%値上がりし た。

朝方発表された2月の米非農業部門雇用者数(事業所調査、季節 調整済み)は前月比65万1000人減少(前月65万5000人減)だった。 市場参加者は雇用マイナス幅のわずかな縮小を手が掛に買いを先行させ た。S&P500種は午前9時45分、2.4%高まで上昇する場面もあった。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズで25億 ドルの資産運用に携わるジェーソン・クーパー氏は「失業率は上限に差 し掛かっているのだろう。このまま横ばいとなるとみている」と語った。

アップル安い

アップルが安い。JPモルガンは同社の携帯電話「iPhone (アイフォーン)」とコンピューター「マッキントッシュ」の販売予想 を引き下げた。JPモルガンは「一段と深刻化する世界的な景気悪化」 を下方修正の理由に挙げた。

MFグローバル・セキュリティーズのアナリスト、パー・リンド バーグ氏(英ロンドン在勤)は「米国のマクロ的な環境が引き続き悪化 する中、テクノロジー銘柄も他社と同様に影響を受けている」と語る。

S&P500種金融株価指数は1.4%安。1992年4月以来の安値に下 げた。保険のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グルー プは12%安、ゴールドマン・サックス・グループは7.4%下落した。

○米国債:週間ベースで今年最大の上昇。株安のほか、金融システムの 安定に対する懸念から米国債が比較的安全とみなされ、買いが優勢にな った。

630億ドル相当の中長期国債の入札を翌週に控え、6日の取り引 きでは売りが出た。2月の雇用統計で雇用者数が急減し、失業率が 1983年12月以来の高水準に上昇したものの、市場の関心は供給増に 向けられた。

キャボット・マネー・マネジメントの債券ポートフォリオマネジ ャー、ウィリアム・ラーキン氏は「現時点では株式相場が米国債の方 向を決めている。供給懸念はすでに織り込まれた」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時30分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.88%。週間では14bp低下し、 昨年12月19日に終わった週以来の大幅な下げとなった。10年債(表 面利率2.75%、2019年2月償還)価格は週間で1 5/3上げて98 28/32。

30年債利回りは前日比5bp上昇し、3.55%。週間では15bp 低下し、1月16日終了週以来の大幅な下げ。

S&P500種株価指数は週間で7%下げ、1996年以来の安値を付 けた。

供給懸念

財務省は10日に340億ドル相当の3年債、11日に180億ドルの 10年債、12日に110億ドルの30年債の入札をそれぞれ予定している。 前週の中期国債入札の総額は過去最高の940億ドルだった。

SEIインベストメンツで運用に携わるショーン・シムコ氏は 「経済指標という買い材料と供給懸念という売り材料が綱引きする状 態が続いている。供給が今のところ勝っている」と指摘した。

デービッド・ローゼンバーグ氏らメリルリンチのエコノミストは 5日付のリポートで、米国債相場は4―6月(第2四半期)に下落し、 10年債利回りは3.25%まで上昇すると予想。「米国債の絶え間ない大 量供給の影響で」、借り入れコストが上昇すると指摘した。

オバマ政権は2010年度(09年10月-10年9月)予算として3 兆5500億ドルを議会に求めている。09年度(08年10月-09年9 月)の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに膨らむ見通し。

国債購入に消極的

ニューヨーク連銀のダドリー総裁はニューヨークでの講演後、 「今のところ、長期国債の購入は金融状況の緊張を緩和するのに最も 効果的な手段ではないと当局は判断している」と述べた。

年初からの米国債の下げは長期債が中心となっている。FRBが 国債買い取りに積極的ではないとの見方が理由。30年債は12月以降 13%下げている。

バーナンキFRB議長が最初に米国債買い取りの可能性に言及し たのは昨年12月1日。議事録によれば、米連邦公開市場委員会(FO MC)は1月27-28日開催の会合で、「買い取りの効果は民間信用市 場の状況を小幅に改善するにとどまるとの判断に至った」。

前日はイングランド銀行(英中央銀行)が国債と社債の買い取り を表明したため、中銀による資産買い取りが増えるとの見方から国債 相場は上昇した。

雇用統計

雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比65万1000人減 少。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では中央値 65万人の減少が見込まれていた。失業率は8.1%。予想中央値は7.9% だった。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、アレックス・リー氏は「雇用情勢は非常に厳しい。それは失業率 の上昇に反映されている」と語った。

○NY外為:ドルと円が全主要通貨に対して下落。この日発表された2 月の米雇用統計を受け、世界的に経済が低迷する中で逃避先としての両 通貨に対する需要が弱まった。

円の対ドル相場は週間ベースで6週連安と、2007年6月以降で最 長の下げを記録した。日本のリセッション(景気後退)深刻化に対する 懸念から円売りが先行した。主要6通貨のバスケットに対するICEの ドル指数は4日にほぼ3年ぶりの高水準まで上昇したものの、週間ベー スでは低下した。

バークレイズ・キャピタルの主任米国通貨ストラテジスト、ス ティーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は「今の市場 ではドルのロング(買い持ち)ポジションが積み上がっている」と 指摘。「ドルに対するセンチメントがこの先変わるのではないかと 市場は神経質になっているため、ドルは崩れやすい状態にある」と 語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルの対ユーロ相場は 1ユーロ=1.2639ドルと、前日の1.2540ドルから0.8%下落。 一時は1ユーロ=1.2754ドルと、2月26日以来の安値を付ける 場面も見られた。円は対ドルで0.2%下げ1ドル=98円28銭 (前日は98円7銭)。対ユーロでは1.0%下げ1ユーロ=124円 20銭(前日は123円)。

ドルの対ユーロ相場は週間ベースでは0.2%上げ、週間ベースでは 4週連続で上昇した。円は主要16通貨すべてに対して下げた。ドルは 対円で0.7%上げ、6週連続高となった。

ドル指数

ICEのドル指数は0.7%下げて88.512となった。同指数は3月 4日に89.624と、2006年4月以来の高水準まで上昇した。逃避先と してのドル需要が強まったことが背景となった。

TDセキュリティーズの主任通貨ストラテジスト、ショーン・オズ ボーン氏(トロント在勤)は「逃避先としてドルに資金が流れていた が、その動きは後退し始めている。ドルは苦戦している」と語った。

米労働省が6日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比65万1000人減少した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値では、 65万人の減少が見込まれていた。1月は65万5000人減と、速報値の 59万8000人減から下方修正された。家計調査に基づく2月の失業率 は8.1%と、1983年12月以来の高水準に上昇した。1月は7.6%だっ た。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「市場はより大幅な雇用減を織 り込んでいた。リスク回避目的のポジションがさらに手仕舞われるはず だ」と語った。

逃避先としての地位

テンパス・コンサルティングの為替トレーダー、マット・エスティ ーブ氏(ワシントン在勤)によると、米経済の減速を受けて逃避先とし てのドルの地位が後退すれば、ドルの対ユーロ相場はさらに下げる可能 性がある。

エスティーブ氏は「今の時点では、経済指標の内容は何カ月も極め て弱く、投資家の先行き不安感を募らせている」と述べた。

円対ウォン

円は対韓国ウォンで1.3%下げ、対スイス・フランでも1.2%下げ た。日銀の山口副総裁はインタビューで、リセッション深刻化による信 用不安を防ぐため、社債購入を拡大する可能性があるとの見解を示した。

円の対ドル相場は2月16日以来、6.3%下げている。内閣府が16 日に発表した昨年10-12月期の日本の国内総生産(GDP)1次速報 値は前期比年率12.7%減と、第1次石油危機直後の1974年以来の下 落率となった。

○英国債:今週の英国債市場では、10年債相場が大幅上昇し、1992年 以来で最大の上げとなった。イングランド銀行が5日に景気対策として、 中・長期債を購入する計画を発表したことがきっかけだった。

10年債利回りは2日連続で大きく下げ、2日間の下げとしてはブ ルームバーグがデータ集計を開始した1989年以来で最大となった。 イングランド銀は政策金利を0.5%まで引き下げるとともに、向こう 3カ月間で750億ポンド相当の国債と社債を購入する計画を明らかに した。

利下げ局面の終わりが近いとの観測を背景に、2年債に対する10 年債の上乗せ利回りは縮小し、ほぼ2カ月で最小の幅となった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、マテオ・レゲスタ氏(ロン ドン在勤)は「イングランド銀は金利がこれ以上低下しないとのシグ ナルを発した。2年債と10年債のスプレッドはさらに縮小するだろ う」と語った。

ロンドン時間5時6分現在、10年債利回りは前日比30ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.06%。前週末からは56 bp低下し、1992年4月以来で最大の下げとなった。イングランド銀 行の買い取り対象とみられる国債の1つである15年債の利回りはこ の日45bp下げた。5日は40bp低下していた。

一方、2年債利回りは前日比6bp上昇し1.27%となった。これ により10年債との利回り格差は180bpと、1月16日以来で最小の 幅となった。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ国債相場が上昇。2月の米雇用統計が 予想以上に悪化し、世界的なリセッション(景気後退)の深刻化を背景 に欧州中央銀行(ECB)への利下げ圧力が高まるとの観測が広がった。

独2年債相場は週間ベースでここ2カ月で最大の上げとなった。 ECBが5日に政策金利を0.5ポイント引き下げ1.5%に設定し、追 加利下げを示唆したことを受け、独2年債利回りは過去最低水準まで 下げた。米労働省は6日、非農業部門雇用者数が前月比65万1000人 減少したと発表した。

格付け会社フィッチ・レーティングスは6日、アイルランド国債 の格付けを「ネガティブウォッチ」に指定した。これを受けて、ドイ ツとアイルランドの10年債の利回り格差が拡大した。

バーデン・ビュルテンベルク州立銀行の国債トレーダー、チャー ルズ・ベリー氏(シュツットガルト在勤)は、「市場にはまだ数多く の不安定要因があり、市場関係者は最上級の資産に投資した」と述べ た。同氏はさらに「現行の利回り水準はそれほど割安感はないが、投 資家の一部は依然として国債の安全性を必要としている」と付け加え た。

ロンドン時間午後3時50分現在、10年債利回りは前日比10ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し2.92%と、 1月15日以来の低水準となった。同国債(表面利率3.75%、2019年 1月償還)価格は0.93ポイント上げ106.71。2年債利回りは5bp 下げ1.12%となった。5日には1.10%まで下げ、ブルームバーグが データ集計を開始した1990年以来の低水準を付けた。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

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