米国債(6日):10年債、週間では年初来最大の上昇-逃避需要で(2)

米国債相場は週間ベースで今年最 大の上昇。株安のほか、金融システムの安定に対する懸念から米国債 が比較的安全とみなされ、買いが優勢になった。

630億ドル相当の中長期国債の入札を翌週に控え、6日の取り引 きでは売りが出た。2月の雇用統計で雇用者数が急減し、失業率が 1983年12月以来の高水準に上昇したものの、市場の関心は供給増に 向けられた。

キャボット・マネー・マネジメントの債券ポートフォリオマネジ ャー、ウィリアム・ラーキン氏は「現時点では株式相場が米国債の方 向を決めている。供給懸念はすでに織り込まれた」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時30分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.88%。週間では14bp低下し、 昨年12月19日に終わった週以来の大幅な下げとなった。10年債(表 面利率2.75%、2019年2月償還)価格は週間で1 5/3上げて98 28/32。

30年債利回りは前日比5bp上昇し、3.55%。週間では15bp 低下し、1月16日終了週以来の大幅な下げ。

S&P500種株価指数は週間で7%下げ、1996年以来の安値を付 けた。

供給懸念

財務省は10日に340億ドル相当の3年債、11日に180億ドルの 10年債、12日に110億ドルの30年債の入札をそれぞれ予定している。 前週の中期国債入札の総額は過去最高の940億ドルだった。

SEIインベストメンツで運用に携わるショーン・シムコ氏は 「経済指標という買い材料と供給懸念という売り材料が綱引きする状 態が続いている。供給が今のところ勝っている」と指摘した。

デービッド・ローゼンバーグ氏らメリルリンチのエコノミストは 5日付のリポートで、米国債相場は4―6月(第2四半期)に下落し、 10年債利回りは3.25%まで上昇すると予想。「米国債の絶え間ない大 量供給の影響で」、借り入れコストが上昇すると指摘した。

オバマ政権は2010年度(09年10月-10年9月)予算として3 兆5500億ドルを議会に求めている。09年度(08年10月-09年9 月)の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに膨らむ見通し。

国債購入に消極的

ニューヨーク連銀のダドリー総裁はニューヨークでの講演後、 「今のところ、長期国債の購入は金融状況の緊張を緩和するのに最も 効果的な手段ではないと当局は判断している」と述べた。

年初からの米国債の下げは長期債が中心となっている。FRBが 国債買い取りに積極的ではないとの見方が理由。30年債は12月以降 13%下げている。

バーナンキFRB議長が最初に米国債買い取りの可能性に言及し たのは昨年12月1日。議事録によれば、米連邦公開市場委員会(FO MC)は1月27-28日開催の会合で、「買い取りの効果は民間信用市 場の状況を小幅に改善するにとどまるとの判断に至った」。

前日はイングランド銀行(英中央銀行)が国債と社債の買い取り を表明したため、中銀による資産買い取りが増えるとの見方から国債 相場は上昇した。

雇用統計

雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比65万1000人減 少。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では中央値 65万人の減少が見込まれていた。失業率は8.1%。予想中央値は7.9% だった。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、アレックス・リー氏は「雇用情勢は非常に厳しい。それは失業率 の上昇に反映されている」と語った。

原題:U.S. 10-Year Notes Post Year’s Biggest Weekly

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