東京外為:ドル下落、米雇用統計控え買い持ち解消-悪化度合い見極め

週末の東京外国為替市場では、午 後の取引でドルが対ユーロで下落。欧州中央銀行(ECB)の追加利 下げ観測を背景にドルは対ユーロで底堅く推移していたが、注目の米 雇用統計の発表を控え、雇用情勢の悪化度合いを見極めようとの姿勢 が強いなか、週末を前にドルの買い持ち高を手じまう動きが強まった ようだ。

ドルは対円でも一時、1ドル=97円台前半まで下落。前日には4 カ月ぶりの水準となる99円68銭までドル高が進んだが、心理的節目 である100円を攻め切れなかったことで、ドルには持ち高調整に伴う 売り圧力がかかりやすい状況となっている。

みずほコーポレート銀行国際為替部の竪智司参事役は、米雇用統 計について、予想以上の雇用悪化が確認された場合には、金融市場の 不安のさらなる火種となり、米国への資金回帰の動きからドル高が続 く可能性があると指摘。ただ、ドル高も1カ月以上続いているため、 「1つの周期の終わりに近づいている可能性もある」といい、統計結 果が予想範囲内に収まれば、「逆にドル買い持ち高」の解消余地があ ると語る。

一方、ユーロ・円相場は1ユーロ=123円台で推移。ECBは5 日の会合で政策金利を0.5ポイント引き下げ過去最低の1.5%に設定。 トリシェ総裁は、1.5%は同中銀にとっての最低の政策金利水準ではな いと発言し、追加利下げの可能性を示唆した。

米雇用悪化は織り込み済みか

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 2月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比65万人減少し、 1949年以来で最大の落ち込みを記録する見通し。失業率も7.9%に悪 化する見込みで、景気悪化に伴う雇用減少の深刻化が改めて浮き彫り になるとみられている。

もっとも、今週発表された民間部門の雇用者数など雇用関連の指 標では予想を下回るものが目立っており、「悪材料はある程度織り込 まれているため、過度の動きは想定しにくい」(三菱UFJ信託銀行 資金為替部の清水昭男グループマネジャー)との指摘が聞かれる。

この日の東京市場では対ユーロを中心に円買いが進んだ海外市場 の反動から円売りが先行。ドル・円は午前10時前に一時、98円50銭 を付ける場面が見られた。しかし、その後はじりじりとドル売りが進 み、午後には一時、97円21銭までドルが下落。三菱UFJ信託銀の 清水氏は、「ドル・円はきのうまで調整らしい動きがないまま上昇し ていたが、さすがに100円の大台を目の前に一服感が出ている」と説 明する。

ユーロの先安観

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.25ドル台半ばでのもみ合いが続いて いたが午後には一時、1.2726ドルまでドル売りが進んだ。世界的な株 安を背景に逃避的なドル買いが進むなか、今週は昨年11月下旬以来の 水準となる1.24ドル台半ばまでユーロ安・ドル高が進行。しかし、E CBの定例理事会を通過したことで、週末前の持ち高調整が優勢とな っている。

もっとも、前日にはECBのトリシェ総裁が追加利下げの可能性 を示唆し、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が最大1500億ポ ンド(約20兆8350億円)相当の国債と社債の買い取りを発表。欧州 の金融・経済を取り巻く環境が依然として厳しいことが意識されるな か、「ユーロやポンドはともに売られやすい地合いが継続する」(三 菱UFJ信託銀・清水氏)と見る向きは多い。

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