「オバマ大統領の弱気相場」が投資家に大打撃、就任後ダウ20%下落

オバマ米大統領は、政権発足後に 米株式市場の弱気相場入りを主導したというありがたくない名声を得た ようだ。

ブルームバーグがまとめたデータによると、就任式以降のダウ工 業株30種平均の下落率は20%に達し、新政権発足後としては少なく とも過去90年で最も急激な下げとなった。ダウ平均は2007年10月 の最高値1万4164ドル53セントから53%下落しており、5日は前 日比4.1%安の6594ドル44セントで終了した。弱気相場は通常 20%以上の下落を指す。

就任式が行われた1月20日以降、米株式相場の時価総額は1兆 6000億ドル(156兆円)失われた。銀行の損失拡大や失業率上昇を受 けて投資家の間ではリセッション(景気後退)が深刻化するとの見方が 強まっている。ブルームバーグ・データによると、民主党が政権を奪取 した後の最初の1年間はダウ平均が平均で9.8%上昇しているが、オ バマ政権下でこのパターンが崩れる可能性がある。

INGグループの資産運用部門で約25億ドルの運用に携わるウ リ・ランデスマン氏は「オバマ政権発足を受けた反騰が期待されていた が、実現しなかった」と述べ、「これは米経済の悲惨な状況と、これま で発表された対策への信頼欠如を物語っている」と指摘した。

オバマ大統領は3日、長期的な運用を目指す投資家には株式投資 は「買い得になる可能性のある」水準に達しているとの認識を示した。 大統領はまた、日々の変動を世論動向調査になぞらえ、市場に期待に応 えるために政策を調整する考えはないと言明した。

さらに安く

ダウ平均はオバマ氏を選出した大統領選挙以降31%下落した。株 価収益率(PER)は8.04倍と、1995年以来最低。就任式当日の

10.06倍からさらに低下した。

米銀大手シティグループの株価はオバマ政権発足後71%下落し、 5日は1.02ドルで終了。政府はシティ株36%を保有し、既存株主の 保有比率が低下する案を提示した。追加支援を政府に求めた自動車大手 ゼネラル・モーターズ(GM)は53%下落した。

パリセード・キャピタル・マネジメントの運用担当者、ダン・ベ ルー氏は「これは、オバマ大統領の弱気相場だ」と述べ、「政府が非常 に多くの分野で制度見直しに手をつけており、よく分からない状態だ」 と指摘した。

金融機関の損失

世界の金融機関の損失総額が約1兆2000億ドルに膨らむなか、 S&P500種株価指数は昨年38%下落し、1937年以来最大の下げを 演じた。

パイオニア・インベストメント・マネジメントで約80億ドルの 運用に携わるジョン・キャリー氏は「金融セクターが回復する見通しは、 政府の支援にもかかわらず、依然としてかなり暗いようだ」と述べ、 「ここ2、3年の景気は弱く、現時点で景気対策が奏功している様子は 見当たらない。これが投資家心理の重しだ」と指摘した。

ブッシュ前政権時代をみると、ダウ平均の就任式以降の騰落率が 20%安の水準に達したのは、米同時多発テロから9日後の2001年9 月20日で、政権発足から8カ月後だった。

1929年の株価暴落はフーバー大統領就任の7カ月後だった。同 大統領の在任中の29年9月から32年7月までにダウ平均は89%下落 し、歴代政権で最も急激な下げ。1900年以降、大統領選挙で民主党候 補が勝利した後の1年間でダウ平均が下落したのは、ウィルソン政権 (12年選出)とカーター政権(76年選出)の2回だけ。

フィッシャー・インベストメンツのケネス・フィッシャー会長は 「オバマ大統領は株式市場に語りかけるより、市場の声に耳を傾けるべ きだ」と述べた。

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