日本株(終了)TOPIXまた安値、米金融機関に不安-銀行中心売り

週末の東京株式相場は反落、TOP IXの終値は3日に付けたばかりのバブル経済崩壊後の最安値 (726.80)を再び更新した。米大手金融機関の経営先行き懸念が広が ったほか、世界的な株安による財務悪化への警戒も台頭。三菱UFJフ ィナンシャル・グループなど金融株、トヨタ自動車やソニーなど輸出関 連株、前日高かった海運や鉱業、鉄鋼など中国関連株まで幅広く下げた。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋上席ストラテジストは、「日 本株は出口の見えない長いトンネルに入ってしまった。相場の底打ち感 が見えない」と指摘。さらに、「米大手金融機関の経営の行く末が不透 明な上、国内景気も非常に厳しい」と警戒感を示している。

日経平均株価の終値は、前日比260円39銭(3.5%)安の7173 円10銭。TOPIXは同20.16ポイント(2.7%)安の721.39。東 証1部の売買高は概算で20億5195万株、騰落状況は値下がり銘柄数 1368、値上がり290。

日経平均終値も10月安値に接近

日経平均は取引開始直後から売り優勢となり、午後に入ると、じり じりと下値を切る展開となった。一時は7167円7銭まで下げ、昨年 10月に付けた終値ベースのバブル経済崩壊後の安値(7162円90銭) に再び迫る場面もあった。中国の景気対策期待で上昇したのもつかの間、 米国の大手金融機関や自動車メーカーの経営不安が払しょくできない。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、 JPモルガン・チェースなど3大米銀の格付けを引き下げる可能性を示 唆。金融不安から、シティグループの株価は一時97セントと、初めて 1ドルを割れた。ニューヨーク証券取引所は、株式上場を維持する条件 として、30営業日の終値の平均値が1ドルを下回らないよう定めてい る。同証券は株価対策として、この基準を6月末まで凍結しているが、 低迷が続けば、上場廃止も視野に入ることになる。

また、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が提出した年次 報告書には、「存続可能性を疑問」とする監査法人のコメントが含まれ ていた。米国を代表する企業の経営不安が高まり、5日の米株式相場は 大幅に下落し、S&P500種株価指数は1996年9月18日以来、ダウ 工業株価30種は97年4月15日以来の安値を更新した。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストによると、「景気や 企業業績といったファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の悪化は相 場に織り込まれているように見えるが、金融問題は織り込み方が足りな い」という。証券ジャパン調査情報部の大谷正之副部長は、「各国の主 要株価指数の過去の大きな下落率はだいたい64%程度。これを日経平 均に当てはめると、07年7月高値からの水準は6700円程度となる。 この水準を抜けると、厳しい」と話す。

中国期待もはく落、支えは年金買い

東証業種別33指数の下落率上位は海運や機械、鉄鋼など。前日ま で中国政府による追加景気対策への期待で買われてきたが、中国の温家 宝首相が開催中の全国人民代表大会で、現在走っている4兆元の景気刺 激策の増額は不要との認識を示し、期待がはく落した。米建機大手キャ タピラーが7.7%安となるなど、前日の米市場でも中国関連株は大きく 下げていた。

もっとも、取引半ばまでは下げ渋る場面も断続的に見られた。岡三 アセットマネジメントの伊藤氏によれば、「きょうも買い指値が多く入 っており、公的年金とみられる買いが支えている。来週も外国人売り、 公的年金買いの構図は続きそうだ」という。東京証券取引所が5日発表 した2月第4週(23-27日)の投資部門別売買動向によると、東京、 大阪、名古屋3市場の1、2部合計で、信託銀行の買い越し金額は 1737億円となり、8週連続の買い越しだった。

不動産や自動車部品一角、エルピダ安い

個別では、信用不安の根強さや米REITなどの下落を反映し、東 証1部の下落率上位には東急不動産や東京建物など不動産株が入った。 自動車業界の収益環境の厳しさを背景に、曙ブレーキ工業やカヤバ工業 など部品株も急落。

また、台湾政府が5日に示したDRAM産業再編の支援策は具体性 に欠け、政府主導で設立する新会社への参加に不透明感が生じたエルピ ーダメモリが急落。同社については、ゴールドマン・サックス証券が東 芝、パイオニアなどとともに財務リスクウォッチリストに選んだ。筆頭 株主の米シティグループが保有株を売却する方針を固めた、と6日付の 読売新聞朝刊で報道されたマネックスグループが大幅安。暖冬で秋冬物 が伸び悩んだことが影響して2月の売上高が前年同期比19.5%減とな ったセシールも下げた。

半面、08年5月-09年1月期の連結営業利益が前年同期比23% 増となったアインファーマシーズは上昇。アークランドサカモトやサイ ゼリヤ、サンエー、一休など消費関連株の一角も堅調だった。

新興3市場は下落

一方、国内の新興3市場は軒並み下落した。ジャスダック指数は前 日比0.7%安の39.51、東証マザーズ指数は同2.5%安の283.87、大 証ヘラクレス指数は同2.2%安の427.00。3市場はいずれも朝方から 売りが優勢だった。

個別では、3日に四半期報告書の提出遅延で監理銘柄に指定された ジャパン・デジタル・コンテンツ信託が3日連続でストップ安比例配分。 モスフードサービスが低価格ハンバーガーを投入するとの材料もあり、 日本マクドナルドホールディングスも安い。セブン銀行、第一興商、イ マジニアが下げた。

半面、第1四半期の連結営業利益が前年同期比2倍になったケア2 1がストップ高。上場来初の配当実施を発表したネクストは続伸。人件 費適正化などの効果で、09年1月期の単独営業利益が従来計画から 17%上振れたもようの丸千代山岡家はストップ高となった。

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