英中銀のキング総裁、手探りの領域に-資産買い取りに未経験のリスク

【記者:Brian Swint, Jennifer Ryan】

3月6日(ブルームバーグ):金融危機への当初の対応が批判された イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は、今度は英国の経済史 上で最大級のリスク引き受けに乗り出そうとしている。

英中銀は5日、政策金利のレポ金利を0.5ポイント引き下げ、ゼロ 金利に一段と近づく年0.5%とする一方、国債や社債の買い取りを通じ て、英経済に最大1500億ポンド(約20兆8800億円)の資金を供給する 権限を獲得したと発表した。市場が目詰まりを起こし、経済活動が縮小 するなかで、キング総裁がこの賭けがうまくいくと確信しているはずは ない。

英中銀の金融政策委員会(MPC)の元委員で、ロンドン・スクー ル・オブ・エコノミクス(LSE)のウィレム・ブイター教授は「われ われは手探りの状態だ。最終的に景気が好転すれば、効き目があると分 かるだろうが、それは2、3年が経過した後になろう」と語った。

キング総裁には、戦略が失敗してさらに追加的な資金供給を迫られ るか、さもなければ戦略が裏目に出てインフレを加速させる恐れがある 双方向のリスクが存在する。英当局は通貨供給の拡大がハイパーインフ レを招いたジンバブエのムガベ政権の経済政策との類似性を否定しよう として苦しい立場に置かれているが、一部のエコノミストは、英中銀に 残されている選択肢は多くはないと主張する。

UBSのエコノミスト、アミット・カラ氏(ロンドン在勤)は「彼 らが何もしなければどうなるか問い掛ける必要がある。事態はずっと悪 くなるのではなかろうか」と指摘。「銀行システムは全体としてなお機能 を回復せず、景気も上向かず、与信も十分に行き渡っていない。全く暗 中模索の状態だ」と付け加えた。

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