日本株:金融や輸出中心に反落、海外金融不安尾引く-中国関連も売り

午前の東京株式相場は反落。欧米市 場における金融システム不安の根強さ、為替相場の円高進行などが警戒 された。世界的株安による財務悪化などを懸念し、三菱UFJフィナン シャル・グループや東京海上ホールディングスなど金融株が下落。トヨ タ自動車など輸出関連株のほか、前日高かった海運や鉱業、鉄鋼など中 国関連株の下げも目立った。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「米国の金融機 関を国有化しなくてもやっていけるという認識は甘い」と指摘。資産の 厳格査定をすれば、「実質債務超過に陥っている金融機関は多いだろう。 しかし、市場参加者はこうした状況を十分に織り込んでいない」という。

午前の日経平均株価終値は、前日比228円54銭(3.1%)安の 7204円95銭。TOPIXは同16.45ポイント(2.2%)安の725.10。 東証1部の売買高は概算で9億6227万株、騰落状況は値下がり銘柄数 1187、値上がり403。

午前の日経平均は取引開始直後から売り優勢となり、一時246円 安と、前日の日中の上昇分(241円)を吐き出した。中国の景気対策期 待で上昇したのもつかの間、欧米の金融機関の経営問題が再びくすぶっ ている。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは5 日、JPモルガン・チェースなど3大米銀の格付けを引き下げる可能性 を示唆。金融不安から、シティグループの株価は一時97セントと、初 めて1ドルを割れ、欧州では英保険大手アビバが赤字決算を発表し、株 価は33%安となった。

5日の欧米株式相場は大幅安となり、S&P500種株価指数は 1996年9月18日以来、ダウ工業株価30種は97年4月15日以来の安 値を更新。ダウ欧州株価指数は前日比3.6%安の161.59で終えた。大 和投信の長野氏によると、「景気や企業業績といったファンダメンタル ズ(経済の基礎的条件)の悪化は相場に織り込まれているように見える が、金融問題は織り込み方が足りない」という。

証券ジャパン調査情報部の大谷正之副部長によると、「各国の主要 株価指数の過去の大きな下落率はだいたい64%程度。これを日経平均 に当てはめると、07年7月高値からの水準は6700円程度となる。こ の水準を抜けると、厳しい」と話す。

一方、午前の東京為替市場でドル・円相場は1ドル=98円台前半 と、前日の東京株式相場の終了時間(同99円27銭)から円高方向に 振れている。欧米の金融不安、為替相場の円高を受け、TOPIXの下 落寄与度上位には電気機器、輸送用機器、銀行が入る。

また、東証業種別33指数の下落率上位は海運や鉱業、鉄鋼など。 前日まで中国政府の追加景気対策期待で上がってきたが、開催中の全国 人民代表大会で温家宝首相は、現在走っている4兆元の景気刺激策の増 額は不要との認識を示しており、失望の動きもある。

下げ渋り場面も

もっとも、売り一巡後は下げ渋る場面もあった。日経平均はこの日 も7200円の水準で跳ね返されている。市場では、公的年金とみられる 買いが入っているとの声が多い。東京証券取引所が5日発表した2月第 4週(23-27日)の投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古 屋3市場の1、2部合計で、信託銀行の買い越し金額は1737億円とな り、8週連続の買い越しだった。

マネクスGが大幅安、アインファは急伸

世界的金融、信用不安の根強さを反映し、東証1部の下落率上位に は東急不動産や東京建物など不動産株が入った。個別では、筆頭株主の 米シティグループが保有株を売却する方針を固めた、と6日付の読売新 聞朝刊で報道されたマネックスグループが大幅安。2月の既存店売上高 が前年同月比7.7%減となったラウンドワン、暖冬で秋冬物が伸び悩ん だことが影響して2月の売上高が前年同期比19.5%減となったセシー ルも下げた。

半面、08年5月-09年1月期の連結営業利益が前年同期比23% 増となったアインファーマシーズは急伸。アルペンやゼビオといったス ポーツショップ銘柄のほか、アークランドサカモト、サイゼリヤ、一休 など消費関連の一角も堅調。人件費適正化などの効果で、09年1月期 の単独営業利益が従来計画から17%上振れたもようの丸千代山岡家は ストップ高となった。

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