公的融資は大手だけ、金融支援は不十分-自動車不振の部品業界(2)

トヨタ自動車などの自動車メーカ ーが大幅減産を続ける中、自動車部品業界では、資金繰り支援の公的融 資の対象が大手企業に限られ、受注が落ち込んで経営危機に直面してい る中小企業は活用できないかもしれないと懸念している。

自動車部品工業会(JAPIA)の信元久隆会長(曙ブレーキ社 長)は4日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、公的融資が 「大手企業で止まっているのではないかという恐れが非常に大きい」と 述べた。また、こうした政府の対応は「十分でない」との認識を示した。

政府は金融危機対応業務で企業の資金繰りを支援するため、日本 政策投資銀行による低利融資などを実施している。日本企業が海外で資 金を調達する際には、国際協力銀行による融資で支援する。

自動車業界専門の調査会社、CSMワールドワイドの石井敦アナ リストは、部品会社が深刻な影響を受けていると指摘する。部品会社の 破たんは大問題となる自動車メーカーが、支援していく必要があるかも しれないとみている。

2月の米自動車販売は、年率換算ベースで1981年12月以来最悪 となった。トヨタとホンダはそれぞれ同40%、同38%の減少。また、 2月の国内新車総販売台数は、7カ月連続して前年を下回り、軽自動車 を除いた登録車の販売台数が2月として35年ぶりの低水準になった。 こうした背景には、所得水準の低下や雇用不安がある。

このままでは破たんなどの影響も

信元会長は「このままの販売状況が続けば、かなりいろいろな影 響が、破たんを含めて出てくる」と指摘する。

トヨタグループ下請けの日本高周波(愛知県豊田市)は3日、事 業を停止し、事後処理を弁護士に一任したと、信用調査会社の帝国デー タバンクが5日に発表し、担当する法律事務所もこうした事実を認めた。 日本高周波はトヨタ紡織の下請けで、自動車ドアの内張り加工などを手 掛けてきたが、新車種向け工場新設で借入金が増大していたところへ、 08年秋以降の自動車販売低迷で受注が落ち込み、資金繰りが悪化して いたという。

自動車照明機器大手の小糸製作所は2月27日、自動車用ヘッドラ ンプを製造する国内2工場を一時閉鎖すると発表したほか、今期(09 年3月期)業績予想について、自動車メーカーの減産で連結純利益を従 来に比べ97%減額の1億円に下方修正した。

信元会長は「工場閉鎖というのも何日間、何カ月間というレベル ではないということも考えざるを得ない」と懸念している。

トヨタは来期(10年3月期)単体の世界生産台数の目安が620万 台と国内外の取引先メーカーに伝えた。今期の生産見通しを12%下回 る水準だ。

信元会長はトヨタの来期生産計画について「想定より下回ってい る」と指摘する。700万台前後と言われていたのが、実際には600万 台に近い数字だったとしたうえで、「やはりショックでしょうね」とい う。クレディ・スイス証券の岩井徹リサーチアナリストは「来期の赤字 幅のコンセンサスが一段と拡大する可能性は否めない」と部品業界に関 するリポートでコメントしている。

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