東京外為:円が底堅く推移か、米雇用懸念と欧州追加利下げ観測で円選好

週末の東京外国為替市場では、円 が底堅く推移する見通し。米雇用統計の発表を控え、一段の雇用悪化 が警戒されるほか、米自動車大手の破たん懸念など米経済の先行き不 安が高まるなか、積極的にドルは買いにくい。また、欧州中央銀行(E CB)のトリシェ総裁が一段の金融緩和の可能性を示唆したため、ユ ーロも上値が重く、目先は消去法的に円が選好されやすい展開が続く 可能性が高い。

早朝の取引ではドル・円相場が1ドル=98円ちょうど前後と前日 のドル安値圏で推移。ユーロ・円相場は海外時間に付けたユーロ安値 (122円72銭)付近にあと5銭と迫るなどユーロの軟調地合いが続い ている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 2月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比65万人減少し、 1949年以来で最大の落ち込みを記録する見通し。失業率も7.9%に悪 化する見込みで、景気悪化に伴う雇用減少の深刻化が改めて浮き彫り になるとみられている。

一方、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の社債保有者 代表らは、オバマ米大統領の自動車業界に関する作業部会と協議する 際に、GMの再建計画では破たんを防げない可能性があると伝える計 画だ。事情に詳しい関係者1人が、協議が非公開であることを理由に 匿名で明らかにした。

5日の米国市場では、米銀JPモルガン・チェースの格下げ懸念 や中国の追加景気対策への失望から米株式相場が急落。週末の東京株 式相場も売り優勢の展開が見込まれるが、雇用悪化など米景気後退の 深刻化懸念から積極的にドルが買いづらいなか、3月末に向けた日本 の機関投資家のレパトリエーション(自国への資金回帰)など逃避的 な円買いが強まる可能性がある。

前日の海外市場ではドルやユーロを売って円を買い戻す動きが優 勢となり、ドル・円では一時、1ドル=97円72銭まで円が上昇。東 京時間遅くに付けた昨年11月5日以来、4カ月ぶり安値の99円68 銭から2円近く値を戻し、ユーロ・円も日中の円安値(1ユーロ=125 円76銭)から約3円円の買い戻しが進んだ。

ECB総裁が追加利下げを示唆―BOEは量的緩和へ

ECBのトリシェ総裁は5日、金融政策決定後の記者会見で、

1.5%は同中銀にとっての最低の政策金利水準ではないと発言し、利下 げ継続を示唆した。また、金利以外の手段を利用するかどうかについ ては未定だと述べた。

ECBはこの日、政策金利を0.5ポイント引き下げ過去最低の

1.5%に設定。また、ユーロ圏の成長率とインフレ率予想を下方修正し、 今年は3.2-2.2%のマイナス成長(従来予想はマイナス1%-ゼロ成 長)と0.1-0.7%のインフレ率(同1.1-1.7%)と予想した。

トリシェ総裁の会見を受け、5日の海外市場ではユーロが対ドル で一時、1ユーロ=1.2481ドルまで下落。その後は1.25ドル台半ば でのもみ合いが続いている、金利先安観測が高まるなか、引き続きユ ーロは上値の重い展開が見込まれる。

ポンドも海外時間に対ドルで一時、1ポンド=1.40ドル台半ばま で下落。対円では1週間ぶり高値水準の1ポンド=141円台半ばから 138円台まで大きく値を下げている。

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は5日開いた金融政策 委員会(MPC)で、政策金利のレポ金利を0.5ポイント引き下げ0.5% にすることを決めた。政策金利は1694年の同中銀創設以来の最低を更 新。同中銀はまた、最大1500億ポンド(約20兆8350億円)相当の国 債と社債の買い取りを通じ、英経済に資金を注入することも発表した。

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