米国株:急落、中国が追加景気対策示さず失望売り-銀行株大幅安(2)

米株式相場は急落。S&P500種株 価指数は1996年以来の安値に落ち込んだ。格付け会社のムーディー ズ・インベスターズ・サービスが米銀JPモルガン・チェースの格付け を引き下げる可能性を示したほか、中国が追加景気対策を打ち出さなか ったことから失望感が広がった。

JPモルガンを中心に銀行株が下落した。ウェルズ・ファーゴや バンク・オブ・アメリカ(BOA)はいずれも大幅安。ムーディーズが 3行の格付けを見直していることを明らかにしたのが背景。一方、シテ ィグループの株価は一時、初めて1ドルを割り込んだ。

自動車のゼネラル・モーターズ(GM)も急落。同社監査法人は 会社存続の可能性を疑問視している。

グッゲンハイム・パートナーズ・アセット・マネジメント(カリフ ォルニア州サンタモニカ)のスコット・マイナード最高投資責任者(C IO)氏は、「市場参加者は資産としての株式を見捨てている。相場は 低迷する企業業績予想に合わせようしている。景気が近い将来回復する ことはないだろう」と語った。

S&P500種株価指数は前日比4.3%安の682.55。ダウ工業株30種 平均は281.40ドル(4.1%)下落し、6594.44ドルで終了。

企業のデフォルト(債務不履行)増加や世界的なリセッション(景 気後退)深刻化、複合大手ゼネラル・エレクトリック(GE)からJP モルガンなど各社の減配といった材料が嫌気され、S&P500種は年初 から24%値下がりしている。

金融株が安い

中国の温家宝首相は北京での全国人民代表大会(全人代、国会に相 当)で政府活動報告を行い、2009年の8%の経済成長目標は実現可能 な範囲だと述べ、4兆元の景気刺激策の増額は不要との政府の立場を示 唆した。

S&P500種に採用される金融株価指数は9.9%安。産業別10指数 のなかで値下がり率最大だった。JPモルガンは14%安、2002年10月 以来の安値で引けた。ウェルズ・ファーゴは16%安、BOAも12%値 下がりし、1984年7月以来の安値をつけた。

シティグループは9.7%安の1.02ドル。一時は97セントまで売り 込まれた。

GEは0.5%安。1992年11月以来の低水準だった。同社は金融部門 が今年、利益を計上するとの見通しを示したものの、買い材料にはなら なかった。

エネルギー株や金属株も売られた。中国の温首相の発言が手掛かり だった。石油大手のエクソンモービルは5.3%安、アルミ生産のアルコ アは16%値下がりした。

ムーディーズは今年のデフォルト件数は前年比で3倍以上に増大し、 大恐慌時代の水準を上回るとの見通しを示した。また、ゴールドマン・ サックスのロンドン在勤エコノミスト、ビニット・パテル氏は、今年の 世界経済成長率がマイナス0.6%との見通しを述べた。従来予想は0.2% のマイナス成長だった。

一般消費財・サービス株価

S&P500種の一般消費財・サービス株価指数は4.7%安。1996年 9月以来の低水準を記録した。

午前に発表された1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比3万1000人減の63万9000件だった。ブルームバーグ・ニ ュースが集計したエコノミストの予想中央値は65万件だった。60万件 を上回る申請件数はこれで5週連続。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)が発表した統計によると、昨年10 -12月(第4四半期)の米住宅ローン返済延滞率(季節調整済み)は

7.88%と、1972年のデータ集計開始以来で最高を記録した。

カジュアル衣料小売り大手のアバークロンビー・アンド・フィッチ は13%安。同社既存店の2月売上高は前年同月比で30%落ち込んだ。 アナリスト予想では20%の減少が見込まれていた。

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