米国債:反発、FRBの長期債購入観測で-30年債利回り3.51%

米国債相場は反発。30年債を中心 に買いが膨らんだ。イングランド銀行(英中央銀行)が国債と社債の 買い取りを表明したため、米連邦準備制度理事会(FRB)も長期国 債の購入に踏み切るとの観測が強まった。

30年債は2週間ぶりの大幅な上昇。ただ、年初からの成績はマイ ナスで、米国債の中で最も悪いパフォーマンスとなっている。30年債 は1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録が公表され た2月18日以降、2.8%下落している。議事録では当局が長期国債の 買い取りについて様子を見ることが示唆された。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポ ンド氏は「イングランド銀行の声明は米国債を押し上げた。世界的に 債券需要が作り出されるからだ。主に英国債の話だが、この影響でF RBも米国債の購入に踏み切るとの市場の見方が広がった」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時30分現在、30年債利回りは前日比16ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.51%。30年債(表面利率

3.50%、2039年2月償還)価格は2 29/32上げて99 27/32。10年 債利回りは15bp低下の2.82%。

3カ月物財務省短期証券(TB)レートは5bp低下の0.20%。 昨年12月には安全資産買いからマイナス金利となった。

国債買い取り

バーナンキFRB議長が最初に米国債買い取りの可能性に言及し たのは昨年12月1日。30年債利回りは同日、最大25bp低下し、

3.18%を付けた。

英中銀は政策金利を1694年の同中銀創設以来の最低となる0.5% に設定。量的緩和の一環として、750億ポンドの資産買い取りを始め ることを表明した。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は5日、金融政策決定後 の記者会見で、1.5%は同中銀にとっての最低ではないと発言し、利下 げ継続を示唆した。「非従来型の手法に関しては、ユーロ圏の構造に 即したものを中心に考えている」と述べた。

景気悪化懸念もあり、米30年債利回りは昨年12月18日に

2.509%と、1977年の同国債発行開始以来の最低に低下した。その後 はじりじりと上昇する展開となった。オバマ大統領の景気対策や予算 教書、過去最大の財政赤字に対応するには、過去最高額の国債発行が 必要になるとの見方が背景。

議事録によれば、FOMCは1月27-28日開催の会合で、期間が 長めの米国債の購入について協議したが、「買い取りの効果は民間信 用市場の状況を小幅に改善するにとどまるとの判断に至った」。さら に、住宅ローン担保証券(MBS)や機関債を買い取るプログラムを 継続するほうが「より効果的」である公算が高いとされた。

ニューエッジUSA(ニューヨーク)のデービッド・ロビン氏は 「景気刺激策の財源として世界的に国債が増発される中で、イングラ ンド銀行の発表は政府主導の需要を作り出したと言える。世界的な供 給過剰懸念が緩和された」と述べた。

供給懸念

財務省の5日発表によると、10日実施の3年債入札の規模は過去 最大の340億ドル、10年債(11日実施)は180億ドル、30年債(12 日)は110億ドル。前週の中期国債入札の総額は過去最高の940億ド ルだった。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロ ニー氏(ロンドン在勤)は「供給は材料として残っており、最近の大 幅な下げを招いた一因だ。相場上昇の勢いはそれほど強くないかもし れない」と指摘した。

雇用統計

米労働省が5日に発表した2月28日に終わった1週間の新規失業 保険申請件数(季節調整済み)は63万9000件だった。60万件を上回 る申請件数はこれで5週連続。

6日発表の雇用統計では非農業部門雇用者数は14カ月連続の減少 を示すと予想されている。

HSBCセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、 チャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「雇用統計は非常 に弱い内容になるとみられている。雇用回復に希望を持たせるような 内容だと、国債相場は大きく下げるだろう」との見通しを示した。

原題:Treasuries Rise on Bets Central Banks Will Buy

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