NY外為:ユーロは対ドル2週ぶり大幅安-ECB追加利下げ示唆

5日のニューヨーク外国為替市場 ではユーロが対ドルで下落。下げ幅は約2週間での最大となった。欧州 中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が5日の定例政策委員会で政策金利 を過去最低の1.5%に引き下げた後、さらなる利下げの可能性を示唆し たことが背景。

ポンドも対ドルで下落。イングランド銀行(英中央銀行)が景気刺 激策として資産買い取りを実施すると発表したことがきっかけ。一方、 円とドルはカナダ・ドル、オーストラリア・ドルなどに対して上昇。株 価の下落を受け、世界的な金融危機の中で両通貨への逃避需要が強まっ た。

シティバンクの通貨ストラテジスト、トッド・エルマー氏(ニュー ヨーク在勤)は「トリシェ総裁は今後取りうる政策について、前回の会 見よりもやや踏み込んだ話をした。それがユーロ下落につながってい る」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時08分現在、ドルの対ユーロ相場は1ユ ーロ=1.2551ドル(前日は1ユーロ=1.2661ドル)。一時は1.4% 下げ1ユーロ=1.2481ドルと、日中取引では2月17日以来で最大の 下げ幅となった。ユーロは対円では2.1%下げ、1ユーロ=122円90 銭(前日は1ユーロ=125円52銭)。一方、円は対ドルで1.3%上げ、 1ドル=97円91銭(前日は1ドル=99円15銭)。

円が上昇

円は全主要通貨に対して上昇。円は対カナダ・ドルで2%上昇した。 S&P500種株価指数が1996年以来の最低まで落ち込んだことで、日 本の投資家による資金の本国還流の動きが進んだことが背景。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は「このところの円安傾向は自然に定着した。景気見 通しはますます暗くなり、財政難の兆しも増えるばかりだ。逃避先とし ての円需要は弱まっているが、この数週間で円の対ドル相場が1ドル= 90円を下回る水準から1ドル=100円目前まで急落したことの説明に はならないと思う。円の下落ペースは速過ぎた」と指摘した。

円の対ドル相場は2月に7.9%下落、月間ベースでは1995年以降 で最大の下げ幅となった。日本の景気後退が深刻化する中、逃避先とし ての円需要が後退した。

ドル指数

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.7%上昇 し89.224。逃避先としてのドル需要が高まったことが背景。4日には 一時89.624と、2006年4月以来の最高値まで上昇する場面も見られ た。カナダ・ドルは米ドルに対して1.2%下げた。

ポンドは対ユーロで0.4%上昇し、1ユーロ=88.84ペンス。英中 銀による連続利下げは一服したが、ECBは利下げ継続の可能性を示唆 した。

英中銀は政策金利を0.5ポイント引き下げて過去最低の0.5%と したほか、景気対策として、最大1500億ポンド(約20兆8350億 円)相当の国債と社債の買い取りを通じ、英経済に資金を注入すること も発表した。ポンドは対ドルでは0.5%下げ1ポンド=1.4124ドル。

ユーロは対ドルで下落。ECBが政策金利をユーロ導入がされた 1999年以来の最低水準まで引き下げたうえ、トリシェ総裁が需要の弱 さは2009年いっぱい続くとの見解を示したことが材料視された。

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