国内企業業績、景気減速と円高で今期64%減益に下方修正-大和総研

世界経済の急減速、円高・ドル安 の進行で国内企業の業績は一段と悪化している。大和総研が5日に発表 した東証1部主要企業(金融除く300社)を対象とした2008年度 (09年3月期)の経常利益予想は前年度比64%減と、昨年11月に実 施した前回調査(同29%減)から下方修正された。自動車、電機は赤 字に転落するもようだ。

08年度の業績は、下期以降の世界経済の連鎖的不況による急激な 需要減、在庫調整というマイナス面だけではなく、多くの製品で価格が 同時に下落することも響く。さらに外国為替市場では、主要通貨に対し て円高が進み、輸出関連企業の業績悪化につながっている。固定費の抑 制を進めるが、押し上げ効果は限定的との分析だ。

今回の見直しでは、ドル・円相場の前提を1ドル=105円から

98.3円に修正。原油価格は1バレル=95ドルから90ドルへと引き下 げた。業種別では自動車、電機が赤字に転落するほか、化学や総合商社 などでは減益率が拡大。前回調査で増益を見込んでいた紙・パルプも減 益に転じ、すべての業種で利益が低下する見通し。

税引利益は最悪の88%減、株安など直撃

さらに、株式市場の低迷を受けて有価証券評価損も発生、繰延税金 資産の取り崩しもあり、税引利益は同88%減(前回調査32%減)と過 去最悪の水準を予想する。前提となる日経平均株価は昨年末の8800円。 日経平均株価は3日に7088円を付け、バブル経済崩壊後の終値ベース の最安値(7162円、08年10月27日)を1週間ぶりに再び下回った。

大和総研投資調査本部の浜口政己シニアストラテジストは、「株価 の低迷で有価証券評価損は膨らむ可能性が高く、業績は一段と悪化する ことも予想される」と話す。

09年度も9.2%減益に

09年度の経常利益は今年度推定比9.2%減(前回調査3.0%減) を見込む。世界需要の低迷による数量減や、円高に伴う収益悪化が続く と予想。今回の見直しでは、ドル・円相場の前提を1ドル=95円から 85円に修正。原油価格は1バレル=70ドルから60ドルへと下げた。

自動車は円高や欧州、新興地域を中心とする販売台数の減少により、 赤字は拡大する見込みだ。一方、固定費(人件費や減価償却費、金融収 支の合計)を削減することで、前期と比べ1.1兆円程度の増益要因が 見込まれるとも指摘。原油価格の下落で恩恵を享受できる電力・ガス、 紙・パルプの増益率を上方修正した。

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