経済危機のピークはことし前半に、SGアセットのマルクッセン氏

ソシエテ・ジェネラル・アセット・ マネジメント(パリ)の経済戦略チーム、グローバル・ヘッドのミカラ・ マルクッセン氏は、「米国経済は政府の迅速な景気対策によって深刻な 落ち込みは回避できようが、対策は十分とは言えずV字回復は難しい。 危機のピークはことし前半」と見ている。5日、東京都内で開かれた記 者向け説明会で話した。

マルクッセン氏は、昨年秋に急拡大したEURIBOR(欧州銀行 間取引金利)3カ月ものと無担保コール翌日物とのスプレッドが、足元 でかなり縮小したことから、「金融危機のピークはおそらくもう過ぎた」 と指摘。一方、経済危機のピークについては「いま始まったところであ り、ことし前半だろう」との認識を示す。

米国はこれまでの20年間、債務を増やしながら成長してきた。しか し、今後米国民はデ・レバレッジによって消費を抑えた分を貯蓄に回し、 「貯蓄率は2010年末までに6%まで上昇するだろう」と、マルクッセン 氏は予想する。米商務省によれば、2008年12月の貯蓄率は3.6%と、11 月の2.8%から急上昇した。

この貯蓄率の上昇は、家計が9000億ドル分の支出を取り止めること を意味している。2月に成立した7870億ドル(約72兆円)の景気対策 との間には数値上の開きがあり、また政府が公約している350万人の雇 用創出も、今回のリセッション(景気後退)での喪失数と同規模に過ぎ ない。政府は公的支出を拡大させ、縮こまる家計を補う役目を担うもの の、マルクッセン氏は「米経済は政策によって落ち込みを回避できるが、 前途は決して平坦ではない」と慎重姿勢だ。

株価調整は長引く

ロシア・アジア通貨危機、ITバブル崩壊などの景気後退期では、 景気がボトムを付けた後の世界経済の回復軌道は2-3年でⅤ字型をた どった。しかし、今回はⅤ字型回復が期待できないことから、「株式市 場は割安に放置されたバリュエーションが見直される中間反騰はあって も、調整は長引くと見ざるを得ない」(マルクッセン氏)という。特に、 米国のアナリストが依然として米企業の業績急回復を楽観的に予測して いる状況には警鐘を鳴らす。

先進国が景気のけん引役となるのが難しい状況では、新たなけん引 役は中国やインドなどエマージング諸国にならざるを得ないとマルクッ セン氏。ただし、回復軌道がひと筋縄ではいかないだけに、それを材料 として短期的にエマージング株が上がるのは難しいという。そうした中 で、不当に安く放置されている日本株は魅力的に映るとし、短期では日 本株、中期では日本株から中国などへ投資先を次第に広げていくのが良 いだろう、と同氏は話している。

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