中国:09年の投資「大幅増加」へ、経済成長てこ入れ-全人代開幕

中国の温家宝首相は5日、北京で開 幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で政府活動報告を行 い、2009年の投資を「大幅に増加」する方針を表明した。雇用の確保 に必要な8%の経済成長目標の達成を目指して景気対策を拡充する。

温首相は政府活動報告で、「われわれは先例のない困難と課題に直 面している」と述べ、中国は「できるだけ早急に現在の景気の下降を 反転させる」必要があると言明した。ただ、昨年政府が打ち出した4 兆元(約58兆円)の景気刺激策の増額は発表しなかった。

中国経済は輸出の落ち込みで7年ぶりの低成長に陥り、2000万人 に上る出稼ぎ労働者の雇用が失われており、社会不安を招くリスクが 高まっている。上海総合株価指数は現地時間5日午前9時55分(日本 時間同10時55分)現在、前日比0.7%高。ソシエテ・ジェネラルの 香港在勤エコノミスト、グレン・マグワイヤ氏は「中国で今年、相当 の規模の景気刺激策が実施されるだろう」と予想した。

温首相は施政方針演説に当たる政府活動報告で、09年の経済成 長目標を8%とすることをあらためて表明した。これは約20年ぶりの 低成長となる6.7%成長を予測する国際通貨基金(IMF)よりも楽 観的な見方だ。

景気減速による歳入減少や政府の景気対策費の影響で09年の財 政赤字は7500億元となる見通しで、地方政府を含めると9500億元に 膨らむ見込みだが、国内総生産(GDP)比は3%以内にとどまる見 通し。

歳出目標

温首相は、今年の歳出目標を22%増の7兆6200億元と、前年実 績の25.4%増を下回る伸びになると述べた。インフラ整備を中心とす る公共投資の規模は9080億元と2倍余りに増加する。社会保障費は

17.6%増加し、科学技術投資は25.6%の伸びとなる見通し。小規模ビ ジネス振興基金は2倍強の96億元とする。

09年のインフレ率目標は4%と、08年実績の5.9%を下回る水準 とした。景気減速や商品価格の低下で年内にデフレの可能性が高まっ ている。

温首相は世界的な金融危機が「依然として拡大しており、まだ底 打ちしていない」との認識を示し、世界的なデフレ傾向が一段と鮮明 になりつつあると付け加えた。また、保護貿易主義が台頭していると の見方も示した。

中国経済は世界の経済大国上位5カ国で唯一、景気が拡大してい るものの、成長率は6四半期連続で減速し、08年10-12月(第4四 半期)は前年同期比6.8%と、07年通期の13%を大きく下回った。

昨年11月に政府が発表した景気刺激策は、10年までに住宅、鉄 道、高速道路、空港、発電所、昨年の四川省大地震の復興などの事業 に4兆元を投じる内容だった。中国共産党政治局は先月、09年の政府 投資を「大幅」に拡大する方針を打ち出していた。英スタンダード・ チャータード銀行は今週、中国政府が景気刺激策の規模を倍増する可 能性があるとの見方を示していた。

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