東京外為:ユーロ反落、ECB利下げ継続姿勢を警戒-ドル・円は99円前半

午前の東京外国為替市場ではユー ロが反落した。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.2587ドルと、前 日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.2661ドルからユーロが水準 を切り下げている。欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合を控え て、一段の金融緩和姿勢を示す可能性が警戒され、ユーロに売り圧力 がかかった。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、EC Bは利下げ余地があるため、ユーロは下落基調が継続すると指摘。ユ ーロ圏経済は東欧経済の先行き不透明感といった「爆弾」もかかえて おり、ユーロを買い進めにくいとしている。

一方、ドル・円相場は中国政府の景気刺激策に対する期待感から 投資家のリスク許容度回復が連想されて、1ドル=99円43銭まで円が 売られる場面もみられたが、ユーロを中心としたクロス・円(ドル以 外の通貨と円の取引)で円買い圧力が強まり、99円台前半でのもみ合 いが続いた。

ECBの政策動向を見極め

今回のECB会合については、ブルームバーグ・ニュースがまとめ た市場予想で0.5ポイントの利下げが見込まれており、政策金利は

1.5%となる見通し。同時に発表されるユーロ圏の景気見通しの内容次 第では、利下げ継続観測が生じる可能性が警戒されている。

また、ECBのトリシェ総裁は3日に、「非伝統的な手法を必要に 応じていつでも適用することができる」と発言。市場では、この日の会 合後の記者会見で量的緩和に言及する可能性があるとみられており、 「もっと積極的な姿勢」(ソシエテ・ジェネラル銀行・斉藤裕司外国為 替本部長)が示された場合は、ユーロ売りにつながる公算もある。

ユーロ・ドル相場はこの日の東京時間早朝の取引で一時1ユーロ=

1.2664ドルと、2営業日ぶりの水準までユーロ高・ドル安が進行。しか し、徐々にユーロの上値が抑えられる展開となった。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=125円65銭 と、2月26日以来の水準までユーロ高・円安が進んでいたが、この日 の東京市場では124円88銭までユーロが下押される場面もみられてい る。

中国政策期待で株価反発

一方、世界同時不況が深刻化するなか、中国での需要拡大が期待 され、世界的に株価がほぼ全面高。前日のダウ工業株30種平均は前日 比の上げ幅が200ドルを超える場面もみられ、プラスを維持して取引 を終了し、この日の日本株も大幅続伸している。

外為市場では、投資家のリスク許容度が増すとの期待感から低金 利の調達通貨とされている円とドルから、金利差のあるユーロなどに 資金がシフトする動きが先行。ドル・円相場は前日の海外市場で一時 99円49銭と、昨年11月5日以来、約4カ月ぶりの水準まで円安が進行 した。

中国の温家宝首相は5日北京で開幕した全国人民代表大会(全人 代、国会に相当)で政府活動報告を行い、景気減速に対応し2009年の 投資を「大幅に増加」する方針を表明した。

ソシエテ・ジェネラル銀の斉藤氏は、中国の景気対策期待を背景 とした株の堅調さが「リスクテイク」につながるとの見方が生じてい ると指摘。クロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)中心に円に売り 圧力がかかりやすいとみている。

米雇用指標が悪化

一方で、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが4日に発表した 給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は前 月比69万7000人減少した。

ブルームバーグがまとめた市場予想の63万人減を上回る雇用減少と なったことで、6日に政府発表の雇用統計を控えて、雇用情勢の悪化懸 念が強まる格好となり、リスク回避に伴うドルへの資金回帰観測はくす ぶりそうだ。

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