3月4日の海外株式・債券・為替市場(3)

(米国株を最新版に差し替えます)

○米国株:米株式相場は上昇。この日は世界的に株高だった。中国の 追加景気対策をめぐる思惑や米議会が住宅市場支援策で合意に達する との観測が背景。

アルミ生産のアルコアや資源大手フリーポート・マクモラン・カ ッパー・アンド・ゴールドが急伸。石油のシェブロンも上昇した。中 国の当局者は温家宝首相が5日に新たな景気刺激策を発表すると明ら かにしたのが買い材料だった。建機大手キャタピラーも上昇した。

フェデレーテッド・インベスターズのローレンス・クリーチュラ 氏は「株価が割安になり、株式市場に再び太陽が昇った。特に中国と 住宅市場の2つに光が差している。商品株と住宅株にとっては一段の 支援材料だ」と語った。

S&P500種株価指数は前日比2.4%高の712.87。前日は1996 年10月以来初の700割れで取引を終えた。ダウ工業株30種平均は

149.82ドル(2.2%)上昇し、6875.84ドルで終了。

S&P500種に採用されるエネルギー株は4.1%高、産業別10指 数のなかで値上がり率トップだった。

エクソンモービルは2.1%高。シェブロンは2.7%値上がりした。 ニューヨークで取引されている原油先物が材料視された。ニューヨー ク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日比9%高の1バ レル=45.38ドルだった。

フリーポートとアルコアはいずれも13%上昇した。

GE

複合大手のゼネラル・エレクトリック(GE)は下落。一時は 1991年12月以降で初めて6ドルを割り込んだが、GEが投資家向け の電子メールで、近く増資を必要としているとの見方は憶測に過ぎな いと表明したことが好感され、5%未満の下げまで戻した。

オプション市場ではGEのプットオプション取引が最高の73万 5871枚と、4週間平均の3倍以上に達した。GE株の行使価格5ド ルの3月限のプット価格は42%上昇して34セント。同プットオプシ ョンを購入するトレーダーはGEの株価が3月20日まで約4.66ドル に値下がりすると見込んでいる。

世界最大の債券ファンド、パシフィック・インベストメント・マ ネジメント・カンパニー(PIMCO)のビル・グロス共同最高投資 責任者(CIO)は、GEは保険大手アメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)とは異なるとの認識を示した。

グロス氏は米金融経済専門局CNBCとのインタビューで、GE 株の下落について、政府系ファンドがGEの格付け「AAA」が引き 下げられるとの観測からGE株に売りを浴びせていると語った。

半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は 11%高。半導体株の上げをけん引した。ゴールドマン・サックス・グ ループのアナリストが半導体株に買いを推奨したのが支援材料となっ た。

ISM非製造業景況指数

この日午前には米供給管理協会(ISM)が2月の非製造業総合 景況指数を発表した。2月の同指数は41.6と、1月の42.9から低下 した。同指数は50がサービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

また、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与 名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は前月 比69万7000人減少した。

ブルームバーグのデータによると、1月12日以降に発表された S&P500種採用企業465社の四半期決算は平均58%の減益(一部項 目除く)だった。

○米国債:米国債相場は続落。来週予定されている中長期国債入札へ の警戒感から売りが膨らんだ。入札規模は合計で600億ドルになると みられている。

日本と中国が景気対策を拡大するとの観測も売りを誘い、10年 債利回りは過去1週間で最大の上昇となった。クレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)市場では米国債の保証コストが上昇。供給が 需要を上回る懸念が強まっていることを示唆した。米財務省は今年、 約2兆ドルの国債を発行するとみられている。

みずほ証券USA米国債トレーディング責任者、セオドア・エー ク氏は「国債発行が市場をゆがめている。金利は本来なら低下するは ずだが、巨額の財政赤字があり、財源を確保しなければならない状態 にある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.99%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は7/8下げて97 31/32。30年債利回 りは8bp上昇の3.68%。

入札

調査会社ライトソンICAPによると、財務省が5日発表する来 週の入札規模は3年債(10日実施)が過去最大の330億ドル、10年 債(11日)は170億ドル、30年債(12日)は100億ドルと予想され ている。前週の中期国債入札の総額は過去最高の940億ドルだった。

ガイトナー米財務長官は4日、上院財政委員会で証言した。冒頭 の証言では金融安定化計画を実行するには一段のコストが必要になる 可能性を示し、前日の下院での証言内容を繰り返した。

財務省は4日、連邦政府による住宅ローン借り換え支援計画につ いて詳細を公表した。同支援が適用された場合、ローン金利は最低 2%まで引き下げられる。

オバマ政権は2010年度(09年10月-10年9月)予算として3 兆5500億ドルを議会に求めている。09年度(08年10月-09年9 月)の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに膨らむ見通し。

海外投資家

経済対策の財源の一部は海外からの投資で賄われている。中国の 米国債保有額は6962億ドルと海外で最大。日本は5783億ドルで2位 となっている。

セージ・アドバイザー・サービシズのファンドマネジャー、マー ク・マックイーン氏は「海外投資家はこれほど巨額の供給を吸収でき ないだろう。海外投資家が昨年以上に米国債を購入するとは予想でき ないため、金利は上昇基調にならざるを得ない」と述べた。

経済指標

米連邦準備制度理事会(FRB)が4日発表した地区連銀経済報 告(ベージュブック)によると、全米12地区連銀のうち10連銀が経 済状況は「悪化もしくは後退」していると報告、各連銀とも2009年 末にかけてかもしくは2010年初めまで「目立った回復」は見込んで いないと述べた。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが4日発表した給与名 簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は前月比 69万7000人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想 の中央値は63万人減だった。1月は61万4000人減(速報値は52万 2000人減)に修正された。

米供給管理協会(ISM)が4日発表した2月の非製造業総合景 況指数は41.6と、1月の42.9から低下した。ブルームバーグがまと めた予想では41への低下が見込まれていた。同指数は50がサービス 業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査(予想中 央値)によると、米労働省が6日に発表する2月の非農業部門雇用者 数は前月比65万人減と、1949年以来で最大の落ち込みが見込まれて いる。失業率は7.9%に上昇すると予想されている。

長期金利に上昇圧力

ドイツ銀行のチーフ米国エコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏 は「これは深刻な世界的リセッション(景気後退)で、貯蓄を国内に 向ける国が出てくるかもしれない。米国債の利回りに上昇圧力がかか る可能性がある」と語った。

2年債利回りに対する10年債の上乗せ幅は6bp拡大し、2.03 ポイント。一時は昨年11月以来で最大に拡大する場面もあり、長期 債の保有に対しては一段と高い金利が求められていることを示唆した。 昨年末には1.25ポイントまで縮小していた。

CMAデータビジョンの価格動向によると、米国債が向こう5年 間に債務不履行(デフォルト)に陥るリスクに備える保証料を示すC DSスプレッドは1bp上昇の94.35。2月25日以来の高水準とな った。

利回りから判断する限り、信用市場は危機が始まった2007年以 前の状態に回復していない。3カ月物ロンドン銀行間貸出金利(LI BOR)と同期間の財務省短期証券(TB)利回りとの格差であるT EDスプレッドは1.03ポイント。昨年10月の4.64ポイントからは 縮小しているものの、02-06年の平均である0.27ポイントを上回っ ている。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場ではドルと円が大半の主要通 貨に対して下落。中国が景気対策を拡大するとの期待から株価が反発 し、金融危機からの逃避先としての両通貨に対する需要が弱まった。

円はニュージーランド・ドルとスウェーデン・クローナに対して 大幅下落。対ドルではほぼ4カ月ぶりに1ドル=99円台。日本の投 資家が高利回り資産を買うとの観測が広がったことがきっかけ。一方、 ブラジル・レアルは対ドルで上昇。中国製造業購買担当者指数(PM I)が上昇したことを受け、新興成長市場資産への需要が強まったこ とが背景。

バークレイズ・キャピタルの主任米国通貨ストラテジスト、ステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は「ドルはこれま で、米国に対する楽観からではなく、米国以外の国々に対する悲観的 な見方に支えられてきた。こうした悲観的観測が後退するにつれ、ド ル資産を保有する必要も弱まる」と語った。

ニューヨーク時間午後4時03分現在、ドルの対ユーロ相場は

0.6%下げ1ユーロ=1.2637ドル(前日は1ユーロ=1.2561ドル)。 一時は1ユーロ=1.2457ドルと、11月21日以来の高値まで上昇する 場面も見られた。一方、円は対ユーロで1.5%下げ、1ユーロ=125 円18銭(前日は1ユーロ=123円31銭)。円は対ドルで0.9%下げ、 1ドル=99円06銭(前日は1ドル=98円16銭)と、昨年11月10 日以降で初めて99円台に乗せた。

ドルは対ユーロで3カ月半ぶりの高値を付けた後、下げに転じた。 S&P500種株価指数が2.4%上昇し、逃避先としてのドル需要が弱 まったことが背景。同指数は3日、1996年10月以降で初めて700を 割り込んだ。

円はニュージーランド・ドルとスウェーデン・クローナに対し、 それぞれ3.3%下落した。日本経済の悪化を受け、日本の投資家によ る国外の高利回り資産への買いが再開するとの観測が広がった。

日本の政策金利が0.1%であるのに対し、スウェーデンは1%と なっている。ニュージーランド準備銀行は来週、利下げを実施すると 予想されている。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト の予想中央値は2.75%(利下げ幅は0.75%)となっている。

円の対ドル相場は下げ足が加速した。ドル相場が上値抵抗線であ る1ドル=98円90銭(昨年8月に付けた高値1ドル=110円66銭と 1月に付けた安値87円13円のフィボナッチ半値戻し水準)を突破し たことがきっかけ。

日本経済

円は2月に7.9%下げ、月間ベースでは1995年8月以降で最大 の下げ幅となった。日本の財務省が発表した1月の貿易収支は過去 20年で最大の赤字を記録したほか、内閣府が16日に発表した昨年10 -12月期の日本の国内総生産(GDP)1次速報値は前期比年率

12.7%減と、第1次石油危機直後の1974年以来の下落率となった。

ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、ヴ ァシーリ・セレブリアコフ氏は、「このところ逃避先としての円の地 位は低下したようだ。日本の貿易収支は黒字から赤字に転換してしま った」と語った。

日本の景気後退の深刻化を受け、420億ポンド(590億ドル)超 の債券と通貨を運用するスコティッシュ・ウィドウズ・インベストメ ンツは円建て資産の保有高を減らした。

同社のフィクストインカム責任者、ロッド・デビッドソン氏によ ると、同社はベンチマークにおける円保有の割合をこれまでの30% から24%に減らし、ドルの保有高を30%から36%に増やした。

○英国債:英国債市場では、2年債と10年債のスプレッド(利回り 格差)が拡大し、少なくとも1992年以来で最大となった。イングラ ンド銀行が金融機関の借り入れコスト低下を目指して短期債を購入す るとの観測から、2年債が買われた。

2年債相場は4営業日連続で上昇。イングランド銀が5日にも、 景気刺激策として量的緩和の導入を示唆するとの見方が広がった。英 国が22億5000万ポンド相当の30年債入札を実施したことを受けて、 10年債相場は一段安となった。

RBCキャピタル・マーケッツの英金利商品開発責任者、ジョ ン・レース氏(ロンドン在勤)は「景気悪化と量的緩和への見方を背 景に短期債は極めて好調だ。長期債は遅れを取っている」と語った。

2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し1.24%。同国債(表面利率4.25%、2011年3月償 還)は0.03ポイント上げ105.94。一方、10年債利回りは3.63%と、 前日から8bp上昇した。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト60人を対象にした調 査では、イングランド銀は5日に政策金利を0.5ポイント引き下げ

0.5%にすると予想されている。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ10年債相場が続落。株式相場が上 昇したのに加え、国債増発への懸念から国債需要が後退した。

株式相場の反発を背景に、欧州債相場は独10年債を中心に下落 した。ギリシャはこの日、75億ユーロ相当の国債入札を実施。フラ ンスとスペインは5日に最大110億ユーロ相当の国債入札を予定して いる。欧州中央銀行(ECB)が5日に利下げを決定するとの観測か ら、独2年債に対する10年債の上乗せ利回りは拡大し、ここ3週間 で最大となった。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロ ニー氏(ロンドン在勤)は「フランスとスペインの国債入札を控えて 国債相場は値下がりしている。大量の供給を消化しなくてはならない。 市場は今後もこうした材料に時折悩まされるだろう」と述べた。「だ が、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を考慮すれば、買い 時だ」と付け加えた。

ロンドン時間午後5時現在、独10年債利回りは前日比9ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し3.14%。同国債(表 面利率3.75%、2019年1月償還)価格は0.82ポイント下げ105.07。 一方、2年債利回りは1.18%と、前日からほぼ変わらず。

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