米国債:続落、入札への警戒感で売り-10年債利回り2.99%(2)

米国債相場は続落。来週予定され ている中長期国債入札への警戒感から売りが膨らんだ。入札規模は合 計で600億ドルになるとみられている。

日本と中国が景気対策を拡大するとの観測も売りを誘い、10年債 利回りは過去1週間で最大の上昇となった。クレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)市場では米国債の保証コストが上昇。供給が 需要を上回る懸念が強まっていることを示唆した。米財務省は今年、 約2兆ドルの国債を発行するとみられている。

みずほ証券USA米国債トレーディング責任者、セオドア・エー ク氏は「国債発行が市場をゆがめている。金利は本来なら低下するは ずだが、巨額の財政赤字があり、財源を確保しなければならない状態 にある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.99%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は7/8下げて97 31/32。30年債利 回りは8bp上昇の3.68%。

入札

調査会社ライトソンICAPによると、財務省が5日発表する来 週の入札規模は3年債(10日実施)が過去最大の330億ドル、10年 債(11日)は170億ドル、30年債(12日)は100億ドルと予想され ている。前週の中期国債入札の総額は過去最高の940億ドルだった。

ガイトナー米財務長官は4日、上院財政委員会で証言した。冒頭 の証言では金融安定化計画を実行するには一段のコストが必要になる 可能性を示し、前日の下院での証言内容を繰り返した。

財務省は4日、連邦政府による住宅ローン借り換え支援計画につ いて詳細を公表した。同支援が適用された場合、ローン金利は最低 2%まで引き下げられる。

オバマ政権は2010年度(09年10月-10年9月)予算として3 兆5500億ドルを議会に求めている。09年度(08年10月-09年9 月)の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに膨らむ見通し。

海外投資家

経済対策の財源の一部は海外からの投資で賄われている。中国の 米国債保有額は6962億ドルと海外で最大。日本は5783億ドルで2位 となっている。

セージ・アドバイザー・サービシズのファンドマネジャー、マー ク・マックイーン氏は「海外投資家はこれほど巨額の供給を吸収でき ないだろう。海外投資家が昨年以上に米国債を購入するとは予想でき ないため、金利は上昇基調にならざるを得ない」と述べた。

経済指標

米連邦準備制度理事会(FRB)が4日発表した地区連銀経済報 告(ベージュブック)によると、全米12地区連銀のうち10連銀が経 済状況は「悪化もしくは後退」していると報告、各連銀とも2009年末 にかけてかもしくは2010年初めまで「目立った回復」は見込んでいな いと述べた。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが4日発表した給与名 簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は前月比 69万7000人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想 の中央値は63万人減だった。1月は61万4000人減(速報値は52万 2000人減)に修正された。

米供給管理協会(ISM)が4日発表した2月の非製造業総合景 況指数は41.6と、1月の42.9から低下した。ブルームバーグがまと めた予想では41への低下が見込まれていた。同指数は50がサービス 業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査(予想中 央値)によると、米労働省が6日に発表する2月の非農業部門雇用者 数は前月比65万人減と、1949年以来で最大の落ち込みが見込まれて いる。失業率は7.9%に上昇すると予想されている。

長期金利に上昇圧力

ドイツ銀行のチーフ米国エコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏 は「これは深刻な世界的リセッション(景気後退)で、貯蓄を国内に 向ける国が出てくるかもしれない。米国債の利回りに上昇圧力がかか る可能性がある」と語った。

2年債利回りに対する10年債の上乗せ幅は6bp拡大し、2.03 ポイント。一時は昨年11月以来で最大に拡大する場面もあり、長期債 の保有に対しては一段と高い金利が求められていることを示唆した。 昨年末には1.25ポイントまで縮小していた。

CMAデータビジョンの価格動向によると、米国債が向こう5年 間に債務不履行(デフォルト)に陥るリスクに備える保証料を示すC DSスプレッドは1bp上昇の94.35。2月25日以来の高水準となっ た。

利回りから判断する限り、信用市場は危機が始まった2007年以前 の状態に回復していない。3カ月物ロンドン銀行間貸出金利(LIB OR)と同期間の財務省短期証券(TB)利回りとの格差であるTE Dスプレッドは1.03ポイント。昨年10月の4.64ポイントからは縮 小しているものの、02-06年の平均である0.27ポイントを上回って いる。

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