NY外為:ドルと円が下落、株高と中国景気対策で逃避買い鈍る(2)

4日のニューヨーク外国為替市場 ではドルと円が大半の主要通貨に対して下落。中国が景気対策を拡大 するとの期待から株価が反発し、金融危機からの逃避先としての両通 貨に対する需要が弱まった。

円はニュージーランド・ドルとスウェーデン・クローナに対して 大幅下落。対ドルではほぼ4カ月ぶりに1ドル=99円台。日本の投資 家が高利回り資産を買うとの観測が広がったことがきっかけ。一方、ブ ラジル・レアルは対ドルで上昇。中国製造業購買担当者指数(PMI) が上昇したことを受け、新興成長市場資産への需要が強まったことが背 景。

バークレイズ・キャピタルの主任米国通貨ストラテジスト、ステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は「ドルはこれま で、米国に対する楽観からではなく、米国以外の国々に対する悲観的 な見方に支えられてきた。こうした悲観的観測が後退するにつれ、ド ル資産を保有する必要も弱まる」と語った。

ニューヨーク時間午後4時03分現在、ドルの対ユーロ相場は

0.6%下げ1ユーロ=1.2637ドル(前日は1ユーロ=1.2561ド ル)。一時は1ユーロ=1.2457ドルと、11月21日以来の高値ま で上昇する場面も見られた。一方、円は対ユーロで1.5%下げ、1 ユーロ=125円18銭(前日は1ユーロ=123円31銭)。円は対 ドルで0.9%下げ、1ドル=99円06銭(前日は1ドル=98円16 銭)と、昨年11月10日以降で初めて99円台に乗せた。

ドルは対ユーロで3カ月半ぶりの高値を付けた後、下げに転じた。 S&P500種株価指数が2.4%上昇し、逃避先としてのドル需要が弱ま ったことが背景。同指数は3日、1996年10月以降で初めて700を割 り込んだ。

円はニュージーランド・ドルとスウェーデン・クローナに対し、そ れぞれ3.3%下落した。日本経済の悪化を受け、日本の投資家による国 外の高利回り資産への買いが再開するとの観測が広がった。

日本の政策金利が0.1%であるのに対し、スウェーデンは1%とな っている。ニュージーランド準備銀行は来週、利下げを実施すると予想 されている。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想 中央値は2.75%(利下げ幅は0.75%)となっている。

円の対ドル相場は下げ足が加速した。ドル相場が上値抵抗線である 1ドル=98円90銭(昨年8月に付けた高値1ドル=110円66銭と1 月に付けた安値87円13円のフィボナッチ半値戻し水準)を突破した ことがきっかけ。

日本経済

円は2月に7.9%下げ、月間ベースでは1995年8月以降で最大の 下げ幅となった。日本の財務省が発表した1月の貿易収支は過去20年 で最大の赤字を記録したほか、内閣府が16日に発表した昨年10-12 月期の日本の国内総生産(GDP)1次速報値は前期比年率12.7%減 と、第1次石油危機直後の1974年以来の下落率となった。

ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、ヴァ シーリ・セレブリアコフ氏は、「このところ逃避先としての円の地位は 低下したようだ。日本の貿易収支は黒字から赤字に転換してしまった」 と語った。

日本の景気後退の深刻化を受け、420億ポンド(590億ドル)超の 債券と通貨を運用するスコティッシュ・ウィドウズ・インベストメンツ は円建て資産の保有高を減らした。

同社のフィクストインカム責任者、ロッド・デビッドソン氏による と、同社はベンチマークにおける円保有の割合をこれまでの30%から 24%に減らし、ドルの保有高を30%から36%に増やした。

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