東京外為:ドル・円、1ドル=99円台に突入-ドルへの資金還流観測

東京外国為替市場では午後の取引時 間遅くにドルが対円で一段高の展開となった。一時は1ドル=99円36 銭と、約4か月ぶりの高値を付けている。世界不況の深刻化を背景に、 リスク資産からドルへの資金還流が連想された。

中央三井信託銀行総合資金部の北倉克憲主席調査役は、ドル指数が 2006年4月以来の水準に上昇しており、全般的にドルが強い状況が続 いていると指摘。世界的な不況を背景に各国の金融政策が緩和方向に向 かうなかで、「しばらくはドルに資金が戻る流れが続く」とみている。

一方、対ドルでの円売りがユーロ・円相場に波及する格好となって おり、一時1ユーロ=124円46銭と、前日のニューヨーク時間午後遅 くに付けた123円31銭からユーロ高・円安方向に振れている。

ドルへの資金回帰

米国では保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(A IG)が過去最悪の赤字を計上し、政府の追加支援が決定されるなか、 連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3日に上院予算委員 会で行った証言で、金融システム支援に向けた資金を拡大する必要に迫 られる可能性があると発言した。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、バーナンキ議長の議会証 言について、金融市場が全く機能していないことを強調しており、マク ロ経済についても暗い現状を指摘しているとして、「議会に厳しい現実を つきつけた形になった」と説明している。

3日の米株式市場では、同議長の証言を受けた金融システム不安を 背景にS&P500種指数先物が1996年10月以来で初めて700を割り込 んで終了。景気の先行き懸念が払しょくできない状況から、投資家がリ スク資産から資金を引き揚げ、ドルに資金が回帰する傾向が強まってい る。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、株安が続き、 リスク回避的な環境がまったく変わっていない状況のなか、引き続きド ルの需要が強いと指摘。「ドル・円は底堅く、近いうちに99円から上を 狙う可能性がある」とみている。

この日の米国時間には、給与明細書作成代行会社のオートマティッ ク・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが 給与名簿に基づいて集計した2月の民間部門の雇用者数を発表する。

また、供給管理協会(ISM)が2月の非製造業景気指数を発表す る予定で、指標の弱含みも警戒された。

各国の金融緩和観測強まる

一方、オーストラリア統計局がこの日に発表した昨年10-12月期 の実質国内総生産(GDP)は前期比0.5%減少と、前期の0.1%増か らマイナスに転じた。市場予想の0.2%増も下回り、発表直後から豪ド ル売りが活発化した。

前日の取引では、RBAが市場の利下げ予想に反して、政策金利を 据え置いたことを受けて、豪ドルの買い戻し主導で、ユーロが上昇する 局面もみられていたが、この日は一転して、豪経済の減速がユーロの大 幅下落につながった。

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.2457ドルと、昨年11月21 日以来、約3カ月ぶりの安値を更新した。

欧州中央銀行(ECB)は5日に金融政策決定会合を開くが、「利 下げ以外の金融緩和策の可能性も意識されやすい」(中央三井信託銀・ 北倉氏)との指摘が聞かれており、結果判明まではユーロに売り圧力が かかりやすい地合いが継続するとみられている。

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