債券先物が軟調、株反発や決算対策売り警戒-超長期債は堅調(終了)

債券市場では先物相場が軟調(利 回りは上昇)。朝方は、前日の米国債相場が下落したことを受けて売り が先行した。その後、日経平均株価が反発に転じたことや3月決算期末 に向けた益出し売りも警戒された。半面、超長期債相場は堅調となり、 長期ゾーンの現物債を支えた。

モルガン・スタンレー証券債券ストラテジストの伊藤篤氏は、「年 度末に向けた調整売りが出ている」と話した。あす実施の30年債入札 については、「利回り曲線上で見て、対20年で割安となっているので 大丈夫だろう。海外勢のスワップスプレッド(格差)取引も緩和され、 影響はない」と言う。

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比6銭安の139円14銭 で取引を開始した。直後に139円25銭に上昇したが、その後、売りが 増えると水準を切り下げ、一時は138円93銭まで下げた。結局、21 銭安い138円99銭で終了。終値で139円を下回ったのは2月10日以 来となる。3月物の日中売買高は2兆508億円。

朝方の債券先物市場は、前日の米金利上昇が嫌気され、午後に入る と株式相場が反発したことが売り材料となった。日経平均株価は前日比 61円24銭高い7290円96銭で終えた。朝方は100円を超す下げ幅と なっていたが、次第に下げ渋り、上昇に転じて引けた。

3日の米国債相場は反落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(F RB)議長が議会証言で、金融システムはまだ安定していないとの見方 を示したため、銀行支援の財源となる国債の発行が増加するとの観測が 強まった。米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇の2.92% 程度。一方、米株相場は5日続落した。

新発10年債利回りは1.295%

現物債市場で、前日に入札された新発10年物の299回債利回り は、午前9時40分前後になってようやく、前日終値と同水準の

1.30%で取引を開始した。午後に入ると0.5bp高い1.305%に上昇し た後、いったんは1bp低い1.29%まで下げた。2時50分過ぎからは

1.295%で取引されている。

新発10年債利回りは、最近2週間はおおむね1.2%台後半の狭い レンジで推移している。大和証券SMBCの末沢豪謙チーフストラテジ ストは、「10年債利回りが1.3%台に乗せてくると投資家から買いが 入るものの、3月決算期末を控えており、1.2%台半ばに下がると益出 しの売りが出てくる」と説明した。

超長期債は堅調。あす30年債入札を控え、午前の新発30年債利 回りは小幅上昇していたが、午後に入り2bp低い1.95%に低下した。 新発20年物の108回債利回りは1.5bp低い1.90%で推移している。

みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミス トは、超長期債が買われたことについて、「海外市場で需給悪化懸念な どを背景に、これまで利回り曲線の傾斜化が進んだ反動が出たのではな いか」と説明した。

財務省は5日、30年利付国債入札を実施する。今回(3月債)は、 前回入札された表面利率(クーポン)2.4%の29回債と銘柄統合され るリオープン。発行予定額は前回債より1000億円減の5000億円程度。

須田日銀委員が講演、「思い切った策を打つ」とも

こうしたなか、日本銀行の須田美矢子審議委員は4日午前、京都市 内で講演し、経済・物価情勢の先行きに対する下振れリスクがある程度 顕在化した場合は「機動的で柔軟な対応」を取ることも必要と述べた上 で、「いざとなれば、通常の政策ルールを逸脱するほどの思い切った策 を打つ」との姿勢を示した。

債券相場は発言内容に新味がないとして反応薄だった。ただ、みず ほインベスターズ証の落合氏は、「CP(コマーシャルペーパー)買い 入れに関しては緊急性があったが、社債の買い入れは時期尚早との意見 だった。須田委員は『思い切ったことをやる』とも発言しており、日銀 の対応がこれで終わりではないことを示唆した」と述べた。

--共同取材:池田祐美、宋泰允、日高正裕 Editor:Norihiko Kosaka, Hidenori Yamanaka

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