米AIGへの政府救済、4回では終わらない可能性-含み損拡大も

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は米保険大手アメリカン・インターナショナル・グルー プ(AIG)への公的資金による4回目の救済策は金融システムの破た んを阻止するために必要だったと説明したが、これで救済が完了すると は言えないようだ。

バーナンキFRB議長は3日の議会証言で、AIGの経営破たん は「世界の金融システムの安定に衝撃を与えるものであり」、すでに 1500億ドルに膨らんでいた米政府の投資の回収を困難にさせかねなか ったと指摘した。前日にはFRBは「市場が安定・改善しない場合、A IGには一段の政府支援が適切となる可能性がある」との見解を示して いた。

ジョン・ホプキンス大学キャリー・ビジネススクールのフィリッ プ・ファン教授(経営学)は、「AIG救済はまだ全然終わっていな い」と述べ、「問題はAIGが抱えるリスクの程度が依然として不明瞭 であることだ。底がどこなのか分からない」と指摘した。

政府当局者によると、合計4回の政府支援により、米納税者が負 うAIG関連リスクは1630億ドルに膨らんだ。3月2日に発表した 2008年10-12月(第4四半期)決算は、617億ドルの赤字となった が、AIGの資産には数十億ドル規模の含み損があり、商業保険の低迷 や新規ビジネス獲得の苦戦を背景に、保険料収入が落ち込んでいる。

追加支援

AIGは昨年9月に1回目の支援として850億ドルの融資を受け るとともに政府に株式80%を譲渡したが、政府はその後、同社の取引 銀行の損失を回避するため、2回目の救済で支援総額を1228億ドルに 拡大。3回目の支援では1500億ドルに膨らませた。同社が過去5四半 期で計上した1000億ドル超の損失の大半はクレジット・デフォルト・ スワップ(CDS)関連だった。

イーガンジョーンズ・レーティングスのショーン・イーガン社長 は、AIGは契約債務や資産価値下落に対応するため、追加の政府支援 が必要になると予想。昨年末時点でAIGはスワップやオプション、フ ォワード契約で270億ドルの含み損があるほか、債券と株式関連証券 での250億ドルの税引き前未実現損失を抱えている。イーガン氏は、 証券化商品の信用格付けが引き下げられれば、さらに損失が膨らむ恐れ があると言う。同氏は3月2日付リポートで「AIGがもはや大き過ぎ てつぶせないとは言えなくなるまで、米政府の支援は続くと予想され る」と指摘した。

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