日本株は続落、金融や輸出中心に売り-米金融システム対策の視界不良

午前の東京株式相場は続落。金融シ ステム安定化に向けた具体的対策の見通しが不透明で、米国株式相場が 下げ止まらないことが嫌気された。三菱UFJフィナンシャル・グルー プや東京海上ホールディングスなど金融株、トヨタ自動車など輸出関連 株中心に下落、景気敏感業種の海運や大手商社の下げも目立った。

MU投資顧問の森川央シニアストラテジストは、「米当局は打てる 手が少なくなってきている」と指摘。不良債権が増え、その対応のため に公的資金を入れる「イタチごっこから脱するには、金融機関を集中治 療室に入れて管理するような国有化が必要、と市場は見ている」という。

午前の日経平均株価終値は前日比59円55銭(0.8%)安の7170 円17銭。TOPIXは同6.92ポイント(1%)安の719.88。東証1 部の出来高は8億6779万株、売買代金は5272億円、騰落銘柄状況は 値下がり799、値上がり740。

米国株不安、国内政治不信も

午前の日経平均は売り優勢で始まり、一時は125円安の7104円ま で下落、昨年10月に付けたバブル経済崩壊後の終値ベースの安値 7162円を再び下回った。政府による株価対策への期待はあるものの、 米金融システム不安の長期化、国内の政治不信など悪材料が山積みで、 積極的な買いが入らない。

3日の米株式相場は、S&P500種株価指数が1996年10月以来、 約12年ぶりに700ポイントを割れた。ダウ工業株30種平均が約12年 ぶりの7000ドル割れを記録した翌日だっただけに、「自律反発狙いか ら上昇する場面もあったが、金融システム不安が根強く、結局下げてし まった」(日興コーディアル証券の西広市エクイティ部部長)という。 下げ止まらない米株式相場に対する警戒感が強まっている。

世界の投資家が行く末を見守るのが、米金融機関の救済方法。しか し米国では、その方法に関して具体策がまとまらない。バーナンキ米連 邦準備制度理事会(FRB)議長は3日、上院予算委員会で金融システ ム支援に向けた資金について、現在の7000億ドルから拡大する必要に 迫られる可能性があると発言。財政赤字の急拡大というコストを支払っ てでも、積極的な対策を取るよう議会に求めた。

財源確保に向けた大規模な国債増発となれば、債券相場の需給が悪 化することから、株安にもかかわらず、米金利は高止まりしたままだ。 前週末には10年債利回りが3カ月ぶりに3%に乗せた。「米当局は資 金面で思い切った金融対策を出せず、市場は疑心暗鬼の状態が続いてい る」(明和証券の矢野正義シニアマーケットアナリスト)。

国内の政治不信もあらためて高まってきた。民主党の小沢一郎代表 は4日、党本部で緊急記者会見を行い、公設秘書が準大手ゼネコンの西 松建設から違法献金を受け取った疑いで逮捕されたことについて釈明す るとともに、現時点では代表を辞任する考えのないことを明らかにした。 西松建株はこの日、一時12%安の71円と急落した。市場関係者の間で も「ねじれ国会など政局の混迷は元々あり、日本は政策対応が遅れてい た。成り行きを見守りたい」(日興コーデ証の西氏)との声が出ている。

ABCマトやJR東日本安い、Fリテイリは続伸

個別では、2月の既存店売上高が不振だったエービーシー・マート が1年ぶりの安値。2月の鉄道収入が8.6%減と落ち込んだJR東日本 も売られた。4日付の日本経済新聞朝刊で、2009年度に軒並み新規出 店を抑制すると報じられた家電量販店も下げ、ヤマダ電機、ケーズホー ルディングス、コジマが安い。

半面、春物商品の販売が好調で、2月の国内ユニクロの既存店売上 高が前年同月比4.2%増となったファーストリテイリングは続伸。2月 の既存店売上高は不振だったが、発行済株式数の5.2%を上限とする自 社株買いを発表したバルスのほか、クレディ・スイス証券が投資判断を 引き上げた日立物流は急騰した。

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