台湾半導体業界で「ビッグバン」も-統合や海外企業との提携模索へ

台湾当局は、半導体メモリー会 社6社について、統合や海外企業との提携強化を図るもようだ。

台湾の尹啟銘経済部長(経済相)は、当局が出資する半導体メ ーカーの設立を統括する半導体の専門家1人を、恐らく週内に指名す ると語った。今回の計画には、台湾メーカーとエルピーダメモリや米 マイクロン・テクノロジーとの提携が含まれる公算があるという。

1999年以来で最大となる今回の業界再編の動きは、市場が10 年強ぶりの長期低迷に陥る中で、老朽化した工場の閉鎖が製品だぶつ きの緩和につながるとともに、規模で劣るメーカーが韓国のサムスン 電子と競争する上でプラスになるとみられる。今年のパソコン出荷台 数は最悪の12%減が見込まれており、世界的なリセッション(景気 後退)によって業界の低迷は長期化する恐れが出ている。

マッコーリー・グループの台湾調査チーム責任者、ダニエル・ チャン氏は「半導体メーカー数の減少は製品価格と各社の収益性にと って朗報だ」と語った。

「ビックバン」

今回の半導体メモリー業界の「ビッグバン」計画で、台湾当局 は持ち株会社を設立し、南亜科技、華亜科技、力晶半導体、レックス チップ・エレクトロニクス、茂徳科技、華邦電子を統合する意向だと、 モルガン・スタンレーは2月24日付のリポートで指摘。この持ち株 会社はその後、エルピーダメモリに出資し、マイクロン・テクノロジ ーとの提携を図るもようだという。レックスチップはエルピーダメモ リと力晶の合弁会社。

台湾のDRAMエクスチェンジ・テクノロジーによると、この 6社は昨年10-12月期に世界で販売されたDRAM(記憶保持動作 が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の23%を生産しており、 サムスンの25%に肉薄している。台湾の6社にエルピーダメモリと マイクロン・テクノロジーを加えれば、51%になるという。

現代証券のアナリスト、ジェイ・キム氏は、8社が組めば競争 力は強力で、長期にわたり韓国の競合企業に打撃を与えることになる と見込む。ただ同氏は、半導体製造技術の違いから、マイクロンと南 亜科技、華亜科技は加わらない公算があると指摘する。

マイクロンの広報担当者は今週、同社が台湾当局者と数週間に わたり交渉を行っていることを明らかにしている。華亜科技の高啟全 社長は台湾当局の計画については言及を避けた。南亜科技と力晶、レ ックスチップの広報担当者も同様にコメントを避けた。華邦電子の広 報担当者は当局主導の業界統合に対しオープンだと語った。エルピー ダメモリの広報担当の樋口久美子氏からはこれまでのところコメント は得られていない。

業績不振

レックスチップを除く台湾5社は、製品価格の下落が響き、 2008年1-9月期の累積赤字が940億台湾ドル(約2640億円)を 超えた。

シティグループのエコノミスト、鄭貞茂氏(台北在勤)は「台 湾の半導体メーカーはサムスン電子よりも景気減速に左右されやすい。 それは価格決定能力に欠けているからだ」と指摘し、「今回の動きは、 台湾にとって戦う土俵を見直す好機だ」と語った。

DRAM業界は1970年代から好不況の循環によって打撃を受け てきているが、米調査会社アイサプライによると、今年は全世界の売 り上げが15%減の200億米ドル(約1兆9700億円)に落ち込む見 込みだ。また市場調査会社ガートナーは今週、今年の世界のパソコン 出荷台数は12%減との見通しを発表している。

台湾当局は700億台湾ドルを投じて持ち株会社を設立し、その 名称は「Taiwan Memory Inc.」または「Taiwan Memory Corp.」 となると台湾紙が先月、情報源を明らかにせずに報じていた。

東洋証券のアナリスト、キム・ヒュンジュン氏は「業界の統廃 合はどんな形であれ明るい話だ」とした上で、「エルピーダメモリと マイクロンが別のグループを形成すれば、韓国企業にとってマイナス ではないが、8社すべてが手を組んだ場合は競争面で長期的にどんな 影響が生じるか検討する必要がある」と指摘した。

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