JR東日本株が続落、鉄道収入が11年ぶり急減-ディフェンシブ性疑問

東日本旅客鉄道(JR東日本)の株 価が前日比2.1%安の5510円と続落し、午前取引を終えた。景気悪化で ビジネスマンの出張が減ったうえ、行楽需要も低迷し、2009年2月の鉄 道営業収入は約11年ぶりの落ち込みを記録した。中長距離の収入が急減 しており、収益が景気変動の影響を受けにくいとの評価が崩れている。

同社が3日に公表した2月の鉄道営業収入(速報)は前年同月比

8.6%減。同社広報部によると、ビジネス、行楽の利用が低迷したうえ、 前年がうるう年だった影響が出た。この減少率は消費税引き上げ直前の 駆け込み需要の反動が出た1998年3月(9.7%減)以来の大きさ。

内訳を見ると、定期券利用での営業収入が同2.3%減だったのに対 し、定期外が同10.4%減と急減した。定期外のうち近距離は同4.6%減、 中長距離は同13.8%減。これらは同社が92年に定期外を近距離と中長 距離に分けて表示するようになって以来、最大の落ち込みだ。

モーニングスターの調査分析部の鈴木英之シニアアナリストは、「J R東日本の収入はディフェンシブ性が強いとみていたが、景気悪化の影 響を強く受けていることが示された。景気悪化が企業業績に与える影響 もここまで来たかという感じだ」と語った。景気の先行きに不透明感が 強いなか、さらに出張や行楽を控える傾向が強まる可能性があり、「収 入の落ち込みは当面続く」と同氏は予想する。

JR東海の収入減も警戒

また、東海道新幹線を運行する東海旅客鉄道(JR東海)の収入減 も警戒される。かざか証券の市場調査部の田部井美彦部長は、「JR東 日本は都心部の売上高が多く、新幹線への依存度が低い」ことを挙げ、 JR東海の方がビジネスや行楽需要の影響を受けやすいと指摘する。

両社の08年3月期の鉄道運輸収入の構成をみると、JR東日本は新 幹線28%、在来線72%で、関東圏の在来線は全体の67%を占める。こ れに対し、JR東海では新幹線の割合が86%に達している。そのJR東 海が2月に開示した東海道新幹線の同月1-15日の乗客数(速報値)は 前年同期比15%減。このペースが月末まで続くと、87年の設立以来、最 大の落ち込みとなる。JR東海は毎月中旬に月次動向を開示している。

JR東海の株価は一時、前日比2.8%安の55万2000円と52週安値 を更新。西日本旅客鉄道(JR西)も下落する場面があった。このほか、 大阪府・和歌山県を地盤とする南海電気鉄道、静岡・山梨・神奈川県を エリアに持つ富士急行なども安い。

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