東京外為:ユーロが下落、世界不況の深刻化懸念で金利先安観も

午前の東京外国為替市場ではユーロ が大幅下落した。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.2457ドルと、 昨年11月21日以来、約3カ月ぶりの安値を付けた。オーストラリアの 経済成長率がマイナスに転じたことを受けて豪ドル安が進んだのをき っかけに、政策金利の引き下げ余地のあるユーロにも売り圧力が強まっ たようだ。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、オーストラリア準備銀行 (RBA)が前日に予想外の政策金利据え置きを決定していたが、景気 悪化が確認されたことで、追加利下げの可能性が意識されて豪ドル売り につながったと説明。そうしたなか、欧州中央銀行(ECB)の政策決 定会合をあすに控えて、大幅利下げ観測も生じやすく、「ユーロの下落 余地はまだまだある」とみている。

豪経済がマイナス転落

オーストラリア統計局がこの日に発表した昨年10-12月期の実質 国内総生産(GDP)は前期比0.5%減少と、前期の0.1%増からマイ ナスに転じた。市場予想の0.2%増も下回り、発表直後から豪ドル売り が活発化している。

前日の取引では、RBAが市場の利下げ予想に反して、政策金利を 据え置いたことで、豪ドルの買い戻し主導で、ユーロが上昇する局面も みられていた。

ユーロ・円相場はこの日の取引で一時1ユーロ=122円39銭と、 前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた123円31銭からユーロ安・ 円高が進んでいる。

ドルへの資金回帰

一方、米国では保険大手アメリカン・インターナショナル・グルー プ(AIG)が過去最悪の赤字を計上し、政府の追加支援が決定される なか、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3日に上院予 算委員会で行った証言で、金融システム支援に向けた資金を拡大する必 要に迫られる可能性があると発言した。

新光証の林氏は、バーナンキ議長の議会証言について、金融市場が 全く機能していないことを強調しており、マクロ経済についても暗い現 状を指摘しているとして、「議会に厳しい現実をつきつけた形になった」 と説明している。

3日の米株式市場では、同議長の証言を受けた金融システム不安を 背景にS&P500種指数先物が1996年10月以来で初めて700を割り込 んで終了。景気の先行き懸念が払しょくできない状況から、投資家がリ スク資産から資金を引き揚げ、ドルに資金が回帰する傾向が強まってい る。

ドル・円相場は前日の海外市場で一時1ドル=98円59銭と、2営 業日ぶりの水準までドルが上昇。この日の東京市場では豪ドルやユーロ に対して円とドルの買いが交錯する格好となっているが、98円台半ば 近辺でドルが底堅さを維持している。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、株安が続き、 リスク回避的な環境がまったく変わっていない状況のなか、引き続きド ルの需要が強いと指摘。「ドル・円は底堅く、近いうちに99円から上を 狙う可能性がある」とみている。

米指標の弱含み警戒

また、全米不動産業者協会(NAR)が3日に発表した1月の中古 住宅販売成約指数は前月比7.7%低下の80.4と、2001年1月のデータ集 計開始以来で最低の水準に落ち込むなど、引き続き指標の悪化も目立つ。

この日の米国時間には、給与明細書作成代行会社のオートマティッ ク・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが 給与名簿に基づいて集計した2月の民間部門の雇用者数を発表する。

また、供給管理協会(ISM)が2月の非製造業景気指数を発表す る予定で、指標の弱含み警戒感から、資金回帰に伴うドルの買い戻しに 圧力がかかりそうだ。

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