パナソニック:国内SB4000億円は即完売-高格付けや信用力評価(4)

家電世界最大手のパナソニックが4 日に起債した総額4000億円の国内普通社債(SB)は即日完売となっ た。事業債では過去最大となる大型発行だったが、財務に対する評価を 背景としたAA格の高格付けやスプレッド水準などが評価された。主幹 事証券への取材やブルームバーグ・ニュースの調べで明らかになった。

今回の起債は松下電器産業時代の02年1月の3000億円を上回り自 らの記録を更新。米AIGの経営不安や国内景気悪化で企業の信用リス クが高まっているが、日本を代表するAA格の信用力を投資家があらた めて評価した。国内市場ではトヨタ自動車も2月20日に総額2000億円 の発行、手元資金を確保する高格付け企業の起債が相次いでいる。

スプレッドはトヨタと同水準

第一生命保険債券部の原田浩志課長は、「スプレッド水準は妥当で 財務体質からみても信用リスクにまったく問題はない。トヨタ債で、き っちりとしたスプレッドを投資家に提示したことで社債投資家に安心感 が醸成され今回の大型起債につながったようだ」と指摘した。

パナソニック債は、第6回債(3年債)1000億円、第7回債(5年 債)2000億円、第8回債(10年債)1000億円で、表面利率は1.14%、

1.404%、2.05%、発行価格は3本とも100円。国債に対するスプレッ ド(金利上乗せ幅)はそれぞれ+60bp、+65bp、+75bp。募集開始は4 日午前10時18分、均一価格販売リリース(完売宣言)は同10時22分 だった。トヨタ自動車よりも格付けが低いが、強い需要から3年債、5 年債のスプレッドはトヨタ債と同水準に決まった。

パナソニックのSB発行は02年1月以来、約7年ぶり。同社財務 部・IRグループの三原誠係長は、大型起債について「事前に個別の投 資家訪問を行い、事業内容や財務状態などについて説明を行った。幅広 い投資家への販売を行うために共同主幹事5社を選定した」と指摘。ま た、年度末や世界景気後退の中、「約7200億円の現預金などの維持を重 要視した」としている。

M&A資金などに充当

パナソニックは08年12月、リチウムイオン電池世界シェア首位の 三洋電機を株式公開買い付け(TOB)で子会社化すると発表し、資金 手当てのため年明けにも国内SBを発行するとして、総額4000億円を 発行登録した。今回の起債でこの枠を一気に使うこととなった。三洋電 の自社株を除く全株を取得した場合の買収額は8046億円となる。

パナソニック債をAA+と格付けしたR&Iは、「財務構成が見劣 りする三洋電機の連結子会社化で財務構成は相応の悪化が避けられな い」としたうえで、潤沢な手元資金と厚い自己資本を有するなど財務体 力に優れていると指摘し「電機業界での優位は変わらないと判断する」 (発表資料)などとしている。

共同主幹事5社は、起債アナウンスが2月始めで十分な準備ができ、 発行体によるIR活動に加え、トヨタ債、デンソー債の発行が先行し、 投資家が要求するスプレッドの水準も絞り込みやすく、ほぼ全業態の投 資家に販売できたという。当初のレンジは、3年債が+60-80bp、5年 債が+65-85bp、10年債が+75-95Bpで最終的に3本ともレンジ下限 で決まったとしている。

Editor: Kazu Hirano, Takashi Ueno

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