リースCPの金利低下加速、政策効果浸透も-年度末控え資金潤沢

企業が短期資金を調達するコマー シャルペーパー(CP)市場では、高めに推移していたリース会社の 発行金利の低下が加速している。政府・日銀の企業金融対策の効果が 浸透し、発行金利が大幅に低下する企業が相次ぐなか、相対的に投資 妙味が高まっているためとみられる。

最上位から2番目a-1格のリース会社による3カ月程度の発行 金利は0.55-0.62%程度と、前日の0.60-0.65%程度から低下した。 1週間前の0.77-0.80%程度に比べて20ベーシスポイント前後の大 幅な低下だ。国内大手銀行のCPディーラーは、金利が低すぎて買え る銘柄が少ないと話す。

最上位a-1プラス格の化学メーカーが5カ月物を0.30%割れで 発行したもようで、金利低下が鮮明になっている。年度内に償還する 銘柄はいずれも0.1%台で、目先の資金は潤沢。日銀や日本政策投資銀 行によるCP買い取りや0.1%の企業金融支援特別オペの効果が大きい とみられている。

国内大手銀行の資金担当者は、昨年末に比べて資金の潤沢さが実 感できるという。CPを発行しづらい企業があっても、銀行借り入れ など他の手段で資金が循環すれば問題ないとして、全体的な資金の滞 りや金利上昇につながらなければ落ち着いた状況が続くとみる。

CPとTIBOR

日銀の企業金融を中心とした資金供給の効果が表れている。供給 量を示す日銀当座預金残高が13兆-14兆円前後と資金需要の強い四 半期末のレベルで維持されるなか、無担保コール翌日物の加重平均が 初めて補完当座預金金利0.1%を下回り、東京レポレートのスポットネ クスト物は0.116%と、昨年12月の利下げ後の最低を記録した。

年度末の1カ月前から昨年末レベルの資金供給が実施されている ため、年度末の無担保資金の調達も落ち着いている。TIBOR(東 京銀行間貸出金利)は0.71%台の3カ月物に比べて1カ月物は

0.63%台と低めで、大手銀行による提示金利の引き下げも見られる。

大手銀の資金担当者は、CP金利が低下している以上、銀行借り 入れが急増して、基準金利であるTIBORが上昇する昨年末のよう な展開はないだろうと予想する。銀行も昨年末に比べて資金繰りに余 裕が生じ、企業への貸し出しに前向きとの指摘もある。

株安警戒、潤沢資金で吸収か

一般企業や銀行の資金繰りは自立的にも進んでいるようだ。資産 1500兆円と言われる個人向けも含めた社債の発行が増えており、大手 企業による年度末の資金繰りには余裕も出てきているもよう。政府・ 日銀のCPへの対策効果は十分すぎるほど出ているとの声も聞かれた。

この日の日経平均株価が一時200円近く下げて7000円に迫るな ど、不安定な株価が銀行の自己資本に悪影響を与え、資金の循環を悪 化させるリスクも残る。日銀は早くから潤沢な資金を市場に供給し、 突発的な事故が生じた際のクッションを作っているようだ。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は午前の会見で、同日の株 価下落に対して「静かに見守るが、必要以上の下げは看過することは できない」と警戒感を示した。また、政策投資銀による1兆円の低利 融資枠について財政融資の弾力条項を活用し、最大1.5兆円まで貸し 付ける用意があることを明らかにした。

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