財務省:外為特会から国際協力銀へ融資-企業の資金繰り支援で(3)

財務省は3日、年度末を控えて企業 の国内外の事業の資金繰りが逼迫(ひっぱく)する可能性があることか ら、2009年度末までの時限措置として1兆ドル超の外貨準備を運用し ている外国為替資金特別会計(外為特会)から国際協力銀行(JBI C)に融資すると正式発表した。月内は50億ドルを見込んでいる。

同省では外貨の調達環境が厳しいことを踏まえ、国際協力銀が調達 努力を行った上で足りない部分を貸し付ける。貸付期間は5年とし、4 月以降の融資見込みや金利については調達状況を踏まえて決定する。原 資は外貨準備の預金や、満期を迎えた外債収入や利子収入を充てる。

また、円資金についてもニーズが高まっていることから、今年度予 定している財政融資資金の借入枠8000億円について必要に応じて弾力 条項を発動し、最大1.5倍の1.2兆円まで拡大することも決めた。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は同日午前の閣議後会見で 「外貨資金の調達市場が厳しいことを踏まえ、臨時・異例の措置として 外為特会から外貨資金を貸し付ける」とした上で、「年度末に向けて企 業金融に万全を期すよう全力で取り組みたい」との考えを示した。

世界的な金融危機の余波を受け、国際協力銀は海外事業を展開する 日本企業の資金繰り支援のために事業を拡大。途上国に対しても、民間 金融機関の資金繰りを促す「途上国銀行資本増強ファンド」や貿易金融 の円滑化に向けた「貿易金融支援イニシアチブ」に総額30億ドルの資 金支援をすでに決定している。これを受けて、国際協力銀の事業規模は 今年度当初の1兆円から1.5兆円超に拡大する見通しとなっている。

外為特会からの外貨融資は、1975-90年ごろにかけて対外不均衡 の是正を図るため、国際協力銀の前身の旧日本輸出入銀行に対し輸入促 進を行うための原資として総額40億ドルを貸し付けた前例がある。

1兆円の貿易保険枠-経産省

一方、経済産業省は同日、日本貿易保険(NEXⅠ)を通じ、世界 的な景気後退の影響で、先進国や途上国で悪化している日本企業の海外 子会社の資金繰りを支援するため、新たに1兆円の貿易保険の支援枠を 設定すると発表した。

貿易保険は通常、今回のような枠は設けないが、1兆円という目安 を設けることで、年度末に向け銀行が迅速に融資に応じやすくする狙い がある。同省によると、すでに5000億-6000億円程度の引き合いが あるという。

経産省は昨年末に、貿易保険を付与する銀行借り入れの資金使途を 企業の設備資金限定から、1年以上の運転資金にも拡大している。

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