日経平均は一時ことし安値に、銀行中心売り-政策期待で後半下げ渋る

午前の東京株式市場では、日経平均 株価が一時7088円47銭まで下げ、2月24日に付けていたことしの日 中安値(7155円)を下回った。米国の金融システム不安の深刻化や不 況の長期化などが警戒され、三菱UFJフィナンシャル・グループやキ ヤノン、国際石油開発帝石など金融や電機、資源関連株中心に下落。た だ、取引半ば以降は下げ渋る動きも見せた。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長によると、「米政府は膨大な 資金が必要になるため、すべての金融機関を国有化して救済することは 出来ない。救済されなかった金融機関はどうなるのか、という疑心暗鬼 の状態が続いている」という。

午前の日経平均株価終値は、前日比75円26銭(1%)安の7204 円89銭。TOPIXは同9.57ポイント(1.3%)安の725.02。東証 業種別33指数は30業種が下落、上昇は輸送用機器、精密機器、パル プ・紙の3業種にとどまった。東証1部の騰落銘柄状況は値下がり 1228、値上がり334。

再び終値のバブル後安値下回る

午前の日経平均は一時200円近くまで下げ、バブル経済崩壊後の 終値ベースの最安値(7162円、08年10月27日)を再び下回り、取 引時間中の最安値(6994円、08年10月28日)も視野に入った。背 景は、米金融機関の経営の一段悪化に対する警戒感。4度目となるAI Gの資本注入が2日早朝に発表されたものの、米企業として過去最悪と なるAIGの巨額赤字が判明、市場では「いくら注ぎ込んでも、事態は 良い方向に進んでいない」(日興コーディアル証券の橘田憲和ストラテ ジスト)と不安心理が強い。

2日の米株式相場は金融株中心に急落し、ダウ工業株30種平均は 約12年ぶりの7000ドル割れを記録。昨年高値(1万3279ドル、1 月2日)からほぼ半分の水準に落ち、下値模索の展開となっている。東 海東京証券アメリカの矢崎正シニアアナリストは、「ニューヨークは大 雪で大荒れの天気だが、相場も大荒れだ。AIGの大幅赤字決算などを 受け、ほかの金融機関も同じ状況ではないかという懸念が広がってい る」と話す。

下げ止まらない米国株や金融不安の長期化などを警戒し、午前の東 京市場では金融や電機、化学など輸出業種の一角、資源関連株を中心に 幅広い業種に売りが先行した。東証1部市場の売買代金上位にはトヨタ 自動車、ホンダ、三菱UFJなどが下げて並び、このほか情報・通信株、 電気・ガス株といったディフェンシブ株も軟調。

CME水準は下回らず、株価対策期待

ただ、午前の取引後半は持ち直し、シカゴ先物市場(CME)の日 経平均先物3月物の2日清算値7070円を一度も下回っていない。政府 による株価対策への期待感を、相場の下支え要因として指摘する声は多 い。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「3月末の株価水準を意 識した政策期待が市場の底堅さにつながっている。金融機関の決算は苦 しく、日本発の金融不安を誘発する恐れもあるため、政策発動は十分あ り得る」と見る。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は3日、午前の閣議後会見で、 日本株相場について「ニューヨーク株式市場が299ドル下げた心理的 影響が日本の株価に影響している。静かに見守るが、必要以上の下げは 看過することはできないことは、日本経済のことを考えれば当然」と警 戒感を示した。

百貨店や積ハウス売られる、ポイント急反発

金融、信用不安の根強さを裏付け、東証1部の下落率上位には外国 株のシティグループ、バンク・オブ・アメリカをはじめ、株価低位のロ プロやNISグループ、日本アジア投資が並び、連日大幅安の名古屋銀 行は52週安値。また、2月月次売上高の不振を受け、Jフロントリテ イリング、高島屋など百貨店株は軒並み売り込まれた。

個別の材料銘柄では、09年10月期の業績予想の下方修正と配当計 画の減額を発表した巴工業が2カ月ぶりの安値を更新。2010年1月期 の連結営業利益予想を前期比47%減と計画した積水ハウスは24年ぶり の安値となった。09年3月期の連結営業利益予想を19%減額修正した マルハニチロホールディングスも急落した。

半面、09年2月期の連結営業利益が従来予想から上振れたようだ と発表したポイントが急反発。ソネット・エムスリーが1株7万円でT OB(株式公開買い付け)を実施すると発表したメビックスはストップ 高買い気配のまま午前を終了した。

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