東京外為:ユーロ軟調、欧州経済悪化を懸念-株安でドルに資金回帰

朝方の東京外国為替市場では、ユ ーロが軟調。対円では一時、1週間ぶり安値まで下落している。欧州 経済の悪化懸念や欧州中央銀行(ECB)による追加利下げ観測を背 景にユーロは売り圧力がかかりやすい状況が続いている。

ユーロ・円は一時、1ユーロ=122円ちょうどを割り込み、121 円75銭まで下落。欧州連合(EU)首脳が前週末に東欧諸国向けの金 融支援を拒否したことも、欧州金融危機の深刻化懸念につながってい る。

また、世界的な株安を背景に米国への資金回帰の動きが続くなか、 ユーロは対ドルでも一時、1ユーロ=1.2539ドルまで下落。これは2 月19日以来、8営業日ぶり安値となる。

一方、ドル・円相場は前日のニューヨーク時間遅くに付けた97 円45銭からドルが軟化し、一時97円ちょうどを割り込む場面も見ら れたが、その後は97円台前半でもみ合う展開となっている

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXスト ラテジー・ジャパンの山本雅文氏は、金融危機が収まる兆しが見えない なか、資金還流の動きを背景に「ドルが総じて底堅い」と指摘。ただ、 指標の弱含み警戒感や金利先安観を背景に豪ドルやユーロが弱い状況下 では、「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)で円の買い戻しが進み やすく、ドル・円相場は動きにくくなっている」という。

世界株安の様相

2日の米国株は急落。保険大手アメリカン・インター ナショナ ル・グループ(AIG)が米企業史上で最悪の損失を計上したことが 売りを呼び、ダウ工業株30種平均は1997年以来初の7000ドル割れで 取引を終了した。

米当局は同日、AIGに最大300億ドル(約2兆9100億円)の追 加資本を注入する計画を発表。AIGによると、2008年10-12月(第 4四半期)の損失は617億ドルと、前年同期の52億9000万ドルから 拡大した。

また、600銘柄で構成するダウ欧州株価指数は6年ぶり安値を更新。 英銀HSBCホールディングスは、125億ポンド(約1兆7200億円)の 増資計画を発表したことが嫌気され、急落した。

欧米の金融不安が止まらず、世界的な株安に歯止めが掛からない 状況のなか、米国への資金還流の連想がドルを下支える構図が続いて いる。一方、2月中旬から続いていた円安には一服感が広がっており、 株安が一段と進めば、リスク回避を目的とした円の買い戻しが再燃す る可能性もある。

RBAの利下げ動向を注視

一方、この日はオーストラリア準備銀行(RBA)が政策金利を 発表する。市場では0.25ポイントの利下げが有力視されているが、0.5 ポイントの利下げや据え置きを予想する向きもあり、結果次第ではオ ーストラリア・ドル主導で相場が乱高下する場面も想定される。会合 結果は日本時間午後零時半に発表される。

豪ドルは対円で一時、1豪ドル=61円ちょうど付近まで下落。対 ドルでは約1カ月ぶりに1豪ドル=0.6300ドルを割り込む場面が見 られている。

RBA以外にもこの日はカナダ銀行(中央銀行)が政策決定会合 を開き、5日にはECBとイングランド銀行の政策金利の発表が予定 されている。いずれも追加利下げに動く見通しだが、ECBについて はゼロ金利政策の導入に否定的な姿勢を示しているだけに、今後の金 融政策についてどのようなスタンスを示すかが注目される。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が2日に発表した2 月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)の上昇率は前年同月比1.2% と1999年以来の低水準近くにとどまった。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト調査によれば、回答者55人全員が5日の会合 で0.5ポイントの利下げを予想している。

--共同取材 三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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