商船三井:大型ばら積船160隻計画は下方修正-鉄鉱石需要次第(2)

鉄鋼原料船の運航で世界最大の商 船三井は世界的な景気減速を受け、大型ばら積み船を2014年3月末ま でに計約160隻とする運航規模拡大計画を下方修正する公算が高まっ た。今後、新船発注を凍結し、年内は中国を中心とする鉄鉱石の需要動 向などを見極める方針だ。

商船三井は昨年5月、14年3月期末までに10万トン超の大型ば ら積み船のケープサイズバルカーを約135隻、6万トン超のパナマッ クスサイズを約25隻、計160隻とする拡大構想を発表。同社で鉄鋼原 料船を担当する安岡正文専務は2日、ブルームバーグ・ニュースとのイ ンタビューで「いったん計画はストップする」とし、「新たな発注や用 船の動きはとらずに今は様子を見ている」と語った。

安岡氏は、現在の鉄鉱石関連の船隊規模が「ケープサイズ約100 隻、パナマックスと合わせて130隻の規模」という。これまでに新規 発注した53隻は維持するが、20年超の老齢化した船の廃棄や、リース 契約満了で返却する船が出ることで目標の160隻に届かない見通しだ と認めた。ただ、「100隻に後戻りするとか、110隻になるとかではな い」と述べ、計画が大きく下振れることはないだろうと付け加えた。

「ケープサイズ市況の底は昨年10、11月」

安岡氏は「市場環境の劇的な変化が昨年秋にあった。景気全般が 回復するのは早くても2年はかかるだろう」とし、「09年に景気が回復 するという人はいないだろう、だから動きも止まっている」と指摘。

ただ、個別事業の動きは若干違うという。鉄鉱石の動きについて 安岡氏は「量的なことを考えれば中国次第だ」と述べ、中国では今後2 年間で総額4兆元(約60兆円)規模の内需拡大に向けた「景気対策が 動き出している。本格的に動き出せば、回復は早いだろう」と市況回復 に期待を表明した。

ケープサイズ4航路平均の1日当り運賃は昨年に急落したものの、 安岡氏は「すでに3万ドルまで回復している」とし、「ケープサイズ市 況の底は昨年の10、11月だった」との見方を示した。急速な回復は、 中国がブラジルから鉄鉱石輸入を再開したことが主因。

同社の今第4四半期(1-3月)の運賃に関して「平均は2万ド ル程度になるのではないか」(安岡氏)とし、1月に発表した1万 5000ドル予想を上回るとの見通しを示した。第3四半期実績は1万ド ルだった。

資源価格交渉の動向が焦点

鉄鉱石の荷動きで世界の過半を占める中国の輸入量は、中国税関 統計によると09年1月が前年同月比11%減の3265万トン。世界的な 景気後退が表面化した昨年10月は3054万トンと、9月の3916万トン から急速に落ち込んでいた。中国の鉄鉱石輸入量は、02年に年間1億 1150万トンと、初めて1億トンを突破し、その後は経済成長とともに 急拡大して08年は過去最高の前年比16%増の4億4366万トンだった。

野村証券金融経済研究所の村山誠シニアアナリストは、160隻の 船隊整備の下方修正について「今の世界的な景気状況を考えると、見直 しにサプライズはなく、市場も織り込み済み」と指摘する。今後の市況 のポイントは「大手資源会社から鉄鉱石などを購入する大手鉄鋼メーカ ーの動向だ」という。

村山氏は「09年度の鉄鉱石価格の交渉は新年度入りする4月まで に決着せずに6月ぐらいまで長引く可能性があり、そうなると妥結後の 7月以降に海上荷動きが活性化し、ドライバルク市況が再び強含む可能 性がある」との見方を示した。

商船三井の株価は午前終値で前日比6円(1.2%)安の478円。

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