日本株は続落へ、米金融不安の深刻化で幅広く売り-10月安値を意識

東京株式相場は続落する見通し。米 国の保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の 巨額赤字決算などを受け、米国の金融システム不安が深刻化している。 前日の米株式相場は、ダウ工業株価30種平均が約12年ぶりの7000ド ル割れとなるなど急落。この流れを引き継ぎ、金融や輸出関連株中心に 幅広く売りが広がりそうだ。

りそな信託銀行の下出衛ストラテジストは、「米国では景気回復の 遅れ、金融システム不安の深刻化が警戒されている。金融安定化のため の財源が枯渇するという懸念もある。日経平均株価は昨年10月の安値 を意識した展開となるだろう」と見る。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の2日清算値は 7070円で、大阪証券取引所の終値(7250円)比で180円安だった。 昨年10月28日に付けた日経平均の取引時間中のバブル後最安値は 6994円。

天気も相場も大荒れ

米政府がAIGに最大300億ドル(約2兆9100億円)の追加資本 を注入する計画が2日早朝に発表されたが、AIGの巨額赤字が明らか になり、金融システム不安が深刻化した。AIGの2008年10-12月 (第4四半期)決算は米企業として過去最悪の赤字となった。

金融機関の経営が一段と悪化している、との懸念が強まっている。 2日の米金融市場は、株売り・国債買いが加速し、ダウ平均は1997年 4月以来の安値に沈んだ。前日に3カ月半ぶりの3%台を回復していた 米10年債利回りは15ベーシスポイント低下し、2.87%(ブルームバ ーク・データ)。

東海東京証券アメリカの矢崎正シニアアナリストは、「ニューヨー クは大雪で大荒れの天気だが、相場も大荒れだ。AIGの大幅赤字決算 などを受け、ほかの金融機関も同じ状況ではないかという懸念が広がり、 混乱の波及が警戒されている」と話していた。

主要株価指数の終値は、ダウ平均が前営業日比299.64ドル (4.2%)安の6763.29ドル。S&P500種株価指数は34.27ポイン ト(4.7%)安の700.82と、96年10月以来の安値。ナスダック総合 指数は54.99ポイント(4%)安の1322.85となった。

景気悪化の長期化懸念は、原油相場にも表れ、2日のニューヨーク 原油先物相場は大幅続落。需要減退懸念から、ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)原油先物4月限は、前週末比4ドル以上の下げとなり、 1バレル=40.15ドルで終えた。一時は4.92ドル安と、1月7日以来 で最大の低下幅となった。

下げ止まらない米株式相場や金融不安の長期化などを警戒して、こ の日の東京市場では金融株や輸出関連、資源関連株を中心に幅広い業種 に売りが先行する可能性が高い。

ポイントが上昇公算

個別では、09年2月期の連結営業利益が従来予想から上振れたよ うだと発表したポイントが上昇公算。UBS証券は2日付で「積極出店 により高成長を継続」などとし、ポイントの投資判断を「買い」継続と している。このほか、ソネット・エムスリーが1株7万円でTOB(株 式公開買い付け)を実施すると発表したメビックスも買われそう。

半面、10年1月期の連結営業利益を前期比47%減と計画した積水 ハウス、投資有価証券の評価損を計上する関係で、09年3月期が最終 赤字見通しとなったマルハニチロホールディングスも売られそうだ。

また、3日付の日本経済新聞朝刊で、予定している1株20円の期 末配当の実施を再検討していると報じられたソニーは軟調公算。NHK が3日早朝に、金融子会社が国際協力銀行に対して2000億円程度の融 資を要請していると報じたトヨタ自動車の動向も注視される。

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