米国債:上昇、株安とAIG追加支援で-10年債利回り3%割れ(2)

米国債相場は上昇。10年債利回り は過去2週間弱で最も低下した。株安に加え、米当局が保険大手アメ リカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大300億ドル (約2兆9100億円)の公的資金を追加注入する計画を発表したことが 買い材料視された。

S&P500種株価指数が一時、1996年10月以来初めて700を割 り込み、10年債利回りは節目の3%を下回った。供給管理協会(IS M)の2月の製造業景況指数は活動の拡大と縮小の境目を示す50を 13カ月連続で下回った。米資産家ウォーレン・バフェット氏は米景気 を「ひどい状況」と形容した。

モルガン・キーガン(テネシー州メンフィス)の債券セールス・ トレーディング・調査責任者、ケビン・ギディス氏は「株式に対する 恐怖感と嫌悪感が米国債相場を主導している」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時45分現在、10年債利回りは前週末比15ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の2.87%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は1 9/32上げて99ちょうど。2年 債利回りは9bp低下し、0.88%。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の1-2月 の投資収益率はマイナス3.6%と、1-2月としては1980年(マイナ ス7.2%)以来で最悪。当時はインフレ率が30年ぶりの高水準を記録 した。

ジョーダン・コーティック氏らバークレイズのアナリストは2日 付の顧客向けリポートで、10年債利回りが「中期的に」2%まで低下 する可能性があるとの見解を示した。株安でリスク回避傾向が強まり、 安産資産としての米国債需要が強まるとの見方が理由。

短期債買い

最も安全とみなされている財務省短期証券(TB)の3カ月物レ ートは0.23%と、2月2日以来の低水準。

先週は安全志向から短期債需要が強まり、2年債利回りに対する 10年債の上乗せ幅は2月27日に2.04ポイントと、昨年11月以来の 最大に拡大した。過去最大の財政赤字を補うため、政府が国債を増発 するとの懸念が長期債の重しとなった。

オバマ大統領が議会に提出した予算教書によると、今年度の財政 赤字は過去最高の1兆7500億ドルに上る見通しで、財務省の国債増発 は必至となった。財務省は5日に翌週の3年債、10年債、30年債の入 札規模を発表する予定。

HSBCセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、 チャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「現政権が示した 計画は長期債にとっては紛れもない脅威だ。支出を増やし、支援計画 の財源に充てるため、国債を増発するだろう。それは長期債にとって は良い材料ではない」と話した。

S&P500種株価指数は4.7%下げ、4営業日続落。MSCI世界 指数も4日続落し、この日は4.9%下げた。

バフェット氏

バフェット氏は株主にあてた2月28日付書簡で、08年末は「信 用危機に住宅価格と株価の急落が加わり、身のすくむような恐怖が全 米を襲った」と指摘した。ただ、「現金に相当する証券や長期国債を 現在の利回り水準で維持し続けるのは、ほぼ間違いなくひどい投資手 法だ」と記述している。

AIGによると、第4四半期の損失は617億ドルと、前年同期の 52億9000万ドルから拡大した。米政府は先に取得した優先株400億 ドル相当を「普通株に近い」非累積優先株に転換することでも合意し た。

利回りから判断する限り、信用市場は昨年の危機発生以前の状態 に回復していない。3カ月物ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR) と同期間のTB利回りとの格差であるTEDスプレッドは1.03ポイン トと、1月27日以来で最大に拡大した。2002-06年の平均は27bp だった。

原題:Treasuries Rise as Global Stocks Tumble, AIG

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