米ボストン連銀総裁:銀行の不良債権、早急に除去を-日本の教訓

ボストン連銀のローゼングレン総 裁は2日、1990年代の日本の金融危機の教訓として、当局は銀行から 不良債権を早急に切り離し、損失回避よりも成長に注力するよう促さ なくてはならないと述べた。

同総裁はワシントンで講演し、「自己資本の低い銀行に不十分な 資本のまま事業を継続させることは、信用供与不足という問題を悪化 させる可能性が高い」と指摘。低迷している融資と景気の状況を深刻 化させないようにするため、当局はローン損失に備えた引当金の規制 変更を検討すべきだと主張した。

融資低迷とリセッション(景気後退)からの脱却に向け、米当局は 7000億ドルの銀行支援資金を活用し、米連邦準備制度理事会(FR B)はバランスシートを1兆ドル拡大させた。ローゼングレン総裁は日 本の危機からの「教訓」については詳細に語ったものの、米銀から不良 資産の除去を目指す官民合同基金(5000億ドル規模)の設立計画には 言及しなかった。

同総裁は「問題を抱える銀行はバランスシートを拡大させたがらず、 不良資産問題への取り組みも消極的だ」と説明。「銀行のバランスシー トから不良債権を早急に取り除くことが望ましく、そうすれば銀行は過 去の間違いよりも将来の繁栄に再び視点を移すことができる」と語った。

さらに「政府は不良資産の最善の運用者ではない」とも述べ、早急 に資産を転売すべきだとの見解を示した。日本の場合、問題を抱える銀 行は将来の明るい借り手よりも「問題の多い借り手に配慮したケースが 多かった」と述べた。

政府が額面の97%を保証する学資ローンを担保にした証券(規模 2500億ドル)については、一部は表面価格の97%を「大幅に下回って いる」と指摘。銀行が表面価格の94%で購入すれば、政府保証を下回 る水準で買いながら、ポートフォリオの価値上昇を計上でき、資本水準 が改善するとの考えを明らかにした。

ローゼングレン総裁は当局が銀行の資本査定を実施する際、ローン 損失に向けた引当金の評価方法により、金融危機が悪化するリスクを最 小限に抑えることが可能であると主張。「損失の早期計上や不良債権問 題への早急な取り組み、早い段階での高リスク融資の切り離しが良い結 果をもたらす」と話した。

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